恋しくてなど [本]
最近、そしてちょっと昔に読んだ本の紹介です。
恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES
- 作者:
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/09/07
- メディア: ハードカバー
村上春樹が自分でアメリカの雑誌から見つけた短編を、彼の訳と彼の書評、彼の恋愛甘苦度をつけたラブストーリーの短編集。10のラブストーリーの最後の話は、村上春樹自身が書いたカフカの「変身」をモチーフにしたラブストーリーで、全短編が彼の翻訳だと思っていたので、ちょっと得した気分でした。
私は村上春樹の文章がやはり好きなのだなあと思います。たぶんその流れとかリズムみたいなものが好き。久々に彼の本を読めて良かったです。
もう2年近くも前に出た本なんですね。面白くて一気に読んで、感想を書かずに放置してました。仲間はみんな色彩が入った名前を持つというのに、自分一人だけが色彩の入った名前を持たない主人公の多崎つくる。学生時代に疎遠になってしまった理由を大人になって仲間に会うことで明らかにしていく物語。大好きなリズムある文体と精神世界の匂いをいつも嗅ぎ取りながら彼の小説を読んでいます。村上春樹は精神世界的なものはないということを言っているようですが、私はいつも精神世界的な要素を彼の小説に見出してしまいます。だから彼の小説は読むのを止められないのです。
- 作者:
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/07/07
- メディア: 雑誌
「カラマーゾフの兄弟」の翻訳家である亀山郁夫が、「新・カラマーゾフの兄弟」を発表。春くらいには本が出るという噂があったので待っていたのですが、ここまで待ってしびれを切らし文藝を取り寄せ読みました。2年前ドラマの「カラマーゾフの兄弟」を観てそのあと亀山さんの翻訳の「カラマーゾフの兄弟」を読み、すっかり「カラマーゾフの兄弟」に夢中になってしまった私。設定を1990年代の日本に置き、阪神淡路大震災、オウムサリン事件などを絡め、本家のカラマーゾフの兄弟のような設定にしてありとっても面白く読みました。亀山さんの文体も好きだからスイスイ読めてしまうんだなあと思いました。第一部に続く第二部、第三部も期待したいです。
>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2015-02-22 14:48)