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バーニング 劇場版 [韓国映画]

韓国映画「バーニング 劇場版」を観ました。

バーニング 劇場版 [DVD]

バーニング 劇場版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 株式会社ツイン
  • 発売日: 2019/08/07
  • メディア: DVD

2018年の作品。IMDb評価は7・5。村上春樹の短編小説「納屋を焼く」が原作。オバマ元大統領のお気に入りの一本らしく「トキメキ☆成均館(ソンギュンガン)スキャンダル」に出てたユ・アインさん主演なので期待して観てみました。ミステリー仕立てでいろんなことが謎めいていました。

幼馴染のヘミ(チョン・ジョンソ)に久々に会ったジョンス(ユ・アイン)は、彼女がアフリカ旅行に行くからその間猫を世話してほしいと頼まれる。そしてヘミは旅行先で知り合ったベン(スティーブン・ユァン)と一緒に帰国し、彼を紹介して時々三人で会ったりするが、ベンはジョンスに突然「ビニールハウスを二か月に一回くらい焼いているんです」という告白を聞くことになる。そしてその後すぐヘミの行方知らずとなる…。

この映画ではヘミに片思いしているジョンスがベンの「ビニールハウスを焼く」という言葉を聞いた後から近所のビニールハウスを回って燃えていないか念入りにチェックし始めます。またヘミがいなくなったときに、ベンの家に招待され彼がいきなり猫を飼い始めているのを目撃し(姿を見ていないヘミの猫を旅行中世話していたジョンスですが、ベンの猫をヘミの猫の名前で呼んだらすぐに彼の腕の中に入ってきて飼われている猫が元ヘミの猫だと悟ります)、洗面台の引き出しの中にあるたくさんの女の子が置いていったであろうものの中に、以前は入っていなかった自分が景品でもらいヘミにあげたピンク色の腕時計が入っていたことも見てしまいます。そのことからジョンスはベンがヘミを殺したのではないかと思い、彼と会ったときに彼を殴り彼を車に押しやり車ごと燃やしてしまうのです…。自分が血を浴びた服も全て脱ぎ捨て、一緒に燃やし、裸になって自分の車に飛び乗って去るラストシーンが強烈でした。

村上春樹作品はすべて読んでますが、短編の「納屋を焼く」がこんな内容だったのかすっかり忘れてたので読み返しました。原作では主人公の僕は小説家で既婚者でそれなりのステイタスがあるのに、映画ではアルバイトしながらまだ小説家になっていない主人公とはまったく違う立場でした。またヘミがいなくなり「納屋を焼いているんです」という告白はベンらしき人から聞いているけど、小説はそのままで終わり。主人公がベンを車ごと丸ごと焼いて殺してしまうような話は入っていませんでした。みかんのパントマイムのシーンで「みかんがあると思い込むんじゃなくてそこにみかんがないことを忘れればいいのよ」という言葉や「(まるで彼が)ギャッツビーみたいだ」という言葉は村上春樹らしくて映画の中でも使われていました。ちょっと前に「人間にとって432hzの音楽は人を癒す」ことを知り、歌手のノラ・ジョーンズのお父さんでシタールの名手ラビ・シャンカールの曲が432hzであることを知り時々聞いたりしてたのですが、「納屋を焼く」の短編には「ラビ・シャンカールのレコードは」みたいなセリフが入っていて、本を読み返した私へのご褒美はこの言葉だったかもなあと思いました。映画と原作はやはり違う。でも映画は映画として楽しく観ました。楽しくというのは語弊があるけれど、映画は映画として別の完成品として。ユ・アインさんの演技も観たいと思っていたので観れて一石二鳥でした。


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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2022-02-27 09:35) 

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