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善き人のためのソナタ [ドイツ映画]

ドイツ映画「善き人のためのソナタ」(The Lives of Others)を観ました。

善き人のためのソナタ [Blu-ray]

善き人のためのソナタ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2023/02/03
  • メディア: Blu-ray

2006年の作品。IMDb評価は8.4。アカデミー賞外国語映画賞受賞ほか多数。ベルリンの壁が崩壊する5年前の1984年の東ドイツでの監視社会を描く。アカデミー賞受賞当時観ようと思いながらずるずると、そのうち観るのを忘れていました。評判通りの素晴らしい映画でした。最後は胸がいっぱいでした。

脚本家として活躍するドライマンの家に盗聴器を仕掛け、盗聴するように命令された国家保安省のヴィスラー。もう一人の部下と組んで24時間体制での盗聴が始まる。ドライマンの恋人で舞台女優のクリスが彼の家に出入りし、時には権力を剥奪された仲間の脚本家イェルスカが誕生パーティーに来たり、西側の出版社と通じているジャーナリストも出入りしている。ヴィスラーは彼らの生活を盗聴しながらどんどん心を動かされ、最終的には反体制の厄介なことを聴いても黙認、無視し、報告書には何もなかったと報告していく。甥っ子のパウルを西側へ車に乗せで出すと仲間と話していたことも(実際にこの計画は成功)、「クラスメートに会いに行く」(西側への逃亡を意味)と言って出て行って戻ったクリスのことも(実はバーで偶然を装いファンだと名乗ってクリスに希望を与えて留まらせていたのもヴィスラーだった)、ドライマン自身が全ドイツに向けて書いた東ドイツの現状を書いたことも、新しいタイプライターを使って家に隠していることも(西側の雑誌に投稿しニュースとなる)ヴィスラーはその真相を上層部に報告しないでいる。しかし投稿したのはドライマンだと疑われ、家は家宅捜査に。クリスは違法薬物を使ったことで捕まり、そのタイプライターの在りか~ドライマンは床の下に隠しておいたが、白状しなければ女優業を剥奪すると脅され白状してしまう。しかしタイプライターは出てこなかった。なぜなら既にヴィスラーが取り出しておいたから。しかし罪の意識からクリスは車に飛び込み亡くなり、ヴィスラーは疑われ降格させられ窓際族となる…。

その後、ベルリンの壁が崩壊し、当時の盗聴の事実を知り記録を調べるドライマンは、盗聴者のお陰で自分が命拾いをしたことを知る。そして「善き人のためのソナタ」というタイトルの本を出版。それを見つけたヴィスラーは本屋でこの本を買おうとしたとき、店員に「包みますか」と聞かれ「これは私のための本だ」と言う…。

クリスが車に飛び込んだあたりからウルウルでした。自分がヴィクターの立場ならこんなことができるのか?考えてしまいました。良心に従って生きたヴィスラー。誇り高く美しい。この本はまさにヴィスラーのもの。神様からの贈り物のように思えました。この先にも幸あれと思わずにいられませんでした。壁が崩壊して本当に良かった。naonaoお勧め度★★★★★[王冠]

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-02-09 11:13) 

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