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アメリカン・ヒストリーX [アメリカ映画 ドラマ]

アメリカ映画「アメリカン・ヒストリーX」(American Histry X)を観ました。

アメリカン・ヒストリーX [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2018/02/17
  • メディア: Blu-ray

1998年の作品。IMDb評価は8・5。ドラマ、クライム映画。白人至上主義の兄弟2人に起こる悲劇を描く。アメリカにもネオナチがあると初めて知りました。KKKばかりが白人至上主義ではないのだと。エドワード・ノートンがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされています。肉体改造し「プライベートライアン」の出演を断わっての本作だとか。憎しみの連鎖をどこかで食い止めなければ永遠。でも容易には解決しないというメッセージが伝わりました。「怒ってて幸せになったか?」のセリフが印象的でした。

スキンヘッドで胸には鉤十字のタトゥーを入れてるデレク(エドワード・ノートン)は白人至上主義のネオナチのグループリーダーとして、グループ内で崇められていた。そんな時車が盗まれそうになり、黒人を殺してしまう。デレクは刑務所送りとなり3年後に出所。その間弟のダニー(エドワード・ファーロング)はますます兄のデレクに憧れネオナチのメンバーになっていた。デレクは刑務所で「どんなに怒っていても答えは出ない。怒っていても幸せになっただろうか」と考え、心を入れ替える。弟ダニーが心配で弟をネオナチグループから脱退させようとしていた矢先、悲劇が起こる。白昼学校で、ダニーが黒人に銃殺されたのだった…。

父親が人種差別撤廃に反対し「黒人が書いたものばかりを読ませるのは黒人教師の洗脳だ」とまでデレクに言い切っていたこと。バスケットボールをするとき白人対黒人で試合し「黒人は白人の敵で、寄生虫に他ならない」とデレクは言い、試合で勝った方が永遠バスケットボールのコートを使用できると取り決め、白人の若者が勝って黒人の若者を追い出したこと。母が当時付き合っていたユダヤ人の男性を罵倒し追い出したこと。そのため家族内は分裂していたこと。これらがデレクの育った環境で出来事でした。そして黒人を殺すことになるのです。そして刑務所内では白人にも黒人にもやられそうだったけれど白人グループに入れてもらい何とか無事に生き抜くことができます。しかし一人の白人がメキシコ人から薬を買っているのをみて軽蔑し、距離を置くと白人たちから襲撃を受けます。一人の黒人とクリーニングの仕事をペアで組み少しずつ距離を詰め、彼に心を許せるようになります。彼は「テレビを盗んで手が滑ってテレビを落としたら警官の足の上だったというだけで刑務所に6年入っている」と言います。この発言から黒人と白人の不当な差がわかります。デレクは所内で白人にも黒人にもつかない状態で、何とかやり過ごし出所。

弟のダニーは黒人教師からこのままいくと兄のデレクと同じ道を行くと言われます。そして課題としてレポートを書くように、と。彼は髪をそり、ネオナチのメンバーになり、出所してきた兄デレクと話すことで諭され離脱しようとしていたし、レポートにも憎悪の連鎖を止める決心のようなものを書いていたのに、最後は射殺され命を落とすことに…。一歩遅かった。

アメリカでKKKばかりが白人至上主義ではないと知りました。アメリカだとすぐにKKKを思い浮かべてしまい、アメリカとネオナチが結びついていませんでした。ネオナチはドイツに限ったことではないと(考えてみれば当たり前なのですが)知りました。ネオナチと言うと1995年にトルコに旅行してた時、ドイツからトルコに逃げ帰って来た若者たちを思い出します。既に2、3世代ドイツに住んでいるのに、ネオナチがトルコの若者たちを襲い怖くてドイツにはいられないと父や祖父たちの生まれたトルコに舞い戻って来たというのです。彼らは生まれも育ちもドイツなのでドイツ語が堪能でドイツの習慣に慣れている若者たちなのに。ドイツに戻りたいとも言っていた彼らがその後どうなったのか、と思います。

憎悪の連鎖は止めるしか道はありません。どこかで止めなければ永遠その連鎖が続くのですから。この映画は過去の出来事を白黒にしていて、結構その白黒が良かったです。全編白黒映画でも良かったかもしれません。アメリカ社会の闇、暗部が深いことを知り、勉強になりました。naonaoお勧め度★★★★★

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-03-21 10:06) 

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