SSブログ

星明かりを見上げれば [中国映画]

中国映画「星明かりを見上げれば」(原題:人生大事)(Lighting Up the Stars)を観ました。

人生大事

(DVDなし。Netflixで配信中)

2022年の作品。IMDb評価は7.3。ヒューマンドラマ。中国映画金鶏賞(Golden Rooster Awards)の主演男優賞受賞(チュー・イーロン)。チュー・イーロン観たさに観ました。葬儀屋を継ぐ元囚人の男が血のつながりのない子供を引き取り心を通わせて行く物語。ストーリー展開がアップテンポで観ていて飽きなかったし、所々で笑わせそして泣かされ、思いのほか秀逸な映画でした。

莫三妹(モーサンメイ)(チュー・イーロン)は元囚人で仕事は親の葬儀屋を継ぐしかなく、仕事も嫌々やっているようなところがあった。祖母が亡くなり葬儀を行うと一人取り残された子供が「おばあちゃんを返せ」「おばあちゃんはどこにいるのか」と三妹に向かって泣き叫んでいた。この子供、小文(シャオウェン)(ヤン・エンヨウ)には叔母など親戚がいるもずっと泣き叫ぶこの子を引き取ろうとはせず、そのうち三妹が仲間と一緒に暮らす葬儀屋で共に暮らすようになる。骨壷に小文が落書きのような絵を描くと依頼者に逆に感謝されたり、小文がおじいさんと話して商談を持ってきたり、小文が三妹と仲の悪い父親との橋渡しをしたりと、小文がいることで少しずついろんなことがうまくいき始める。そして三妹と小文の間に情も生まれ、三妹は小文を養女にしたいと考えるが結婚してる夫婦しか養女にできないため、同僚の2人が結婚するので彼らの養女にしてもらうことにする。そして小文を学校に通わせるのでした…。

三妹と小文がどんどん本当の親子のようになっていくところが素敵でした。保護者参観のときにパパとして三妹を描き、「パパの仕事は何?」と先生に聞かれて「お空にお星さまを植える仕事」と小文が答えたのには思わず涙しました。「おばあちゃんが空に行って星になった」と既に三妹が小文に教えていてのこの答えだったのです。また最後に本当の母(リー・チュンアイ)が現れ小文を母親に連れて行かせることを決めたとき、三妹が小文の荷物と共に小文についての注意点を母親にこれでもかというくらい事細かく教えている姿にも涙しました。他にもあちこちで泣けました。最後は小文が家出して、皆で探していたら小文が一人で三妹のところに戻ってきて小文がまた葬儀屋で三妹たちと暮らし始めるのですが、訪ねてきた母親にも声をかけ何となく母親もこの葬儀屋で一緒に暮らし小文を育てていくようなエンディングでした。

清潔感あって品行方正で優しい役がとっても似合うチュー・イーロンさんが、今回は刑務所帰りでひげ面で角刈り。ガムをクチャクチャ嚙む粗暴な役でした。でもこの役もなかなか嵌っててうまかった。賞を獲っただけのことはあります。また子役のヤン・エンヨウちゃんが、大人顔負けの演技でそして可愛かった。岸井ゆきのちゃんに似てた。母親役が「君、花海棠の紅にあらず」で小来役(商細蕊の世話焼きで日本兵に殺されてしまう役)のリー・チュンアイさんだったのでびっくり。相変わらず可愛らしい。納棺師の世界でもあったので中国版「おくりびと」と呼ばれてる映画でしたが、市井の人々の生活の様子がよりわかり、身寄りのない子供と社会のはみ出し者の男性がこのお互いの出会いによっていい方向へと向かっていく素敵な映画でした。何だかメチャクチャ良かった。naonaoお勧め度★★★★★[王冠]

おまけ:主演のチュー・イーロンさんが歌う主題歌「人生大事」と試写会の様子。歌も素敵だし観客が泣いてる姿と映画の一部を観てまた泣けました。

 

nice!(15)  コメント(1) 

nice! 15

コメント 1

naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-05-03 09:04) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。