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百年の孤独 [本]

最近まで読んでた本です。

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/12/20
  • メディア: 単行本

ガルシア・マルケスの「百年の孤独」。ノーベル文学賞受賞作家の本。昔、旅好きな会社の人からお勧めされていた本ですが、忙しいのを理由にずっと読まずに忘れていました。先日、若菜晃子の「旅の断片」「途上の旅」を読んでいた時、彼女がこの「百年の孤独」が「時間軸のゆがみ、意識層のずれ、迷走感、平衡感覚などメキシコ旅行の空気を思い出させる」みたいなことを書いていたので読もうと思いました。私にも村上春樹の「羊をめぐる冒険」がまさにそれだったので。私の場合はメキシコでなくインド旅行と帰国してのそのギャップみたいなものが「羊をめぐる冒険」の世界と同じと感じたのですが。そして読もうと思った途端、観ていた中国ドラマ「家族の名において」の中でもこの「百年の孤独」のタイトルが出てきてシンクロし、何だか天に後押しされたようでこれはまさに今読むべき本だと思って読み始めました。

読んだ印象。おもちゃ箱宝石箱をひっくり返したような世界。超スピードで駆け抜ける煌めく世界。怪しい世界。夢、錬金術、見世物小屋、サーカス、世界旅行、予言、ジプシー、神、インディオ、占い、賢者の石、ノストラダムスの大予言、テレパシー、死神など興味ある言葉がたくさん出てきて、その言葉の煌めきがチリの作家のイサベル・アジェンデの「精霊の住む家」「天使の運命」やシドニー・シェルダンの「ゲームの達人」パール・バックの「大地」を思い出させました。もちろんそのテイストは全然違うのですが。

物語は百年にわたるある一族の栄枯盛衰の物語。何代にもわたる近親者の結婚で、生まれてくる子供が「豚のしっぽ」を持って生まれては困ると考えたホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの夫婦は、生まれた村を離れてコマンドという村に移り住む。彼らには2人の息子と1人の娘が生まれる。2人の息子はピラル・テルネラという情婦を共有し、長男のホセ・アルカディオはピラルとの間にこれまた2人の息子(双子)と1人の娘を持ち、その2人の息子たちもペトラ・コナスという情婦を共有し、次男アウレリャノ・セグンドとペトラの間に1人の息子と2人の娘が生まれる。最後には長女メメが情夫との間に産んだアウレリャノ・バビロニアと次女アマランタ・ウルスラが甥と叔母の関係でありながら結ばれ、とうとう豚のしっぽである子供を産んでしまうというお話。血は争えないなあと思わせたことに、途中の世代のアウレリャノ・ホセ(ウルスラの次男で大佐のアウレリャノと情婦ピラルの間に生まれた)とアマランタ(ウルスラの娘)がまさにこの甥と叔母の関係でありながら二人の間に怪しい関係があって、世代に組み込まれ、この一家の逃れたくても逃れられない血みたいなものを感じてしまいました。最後、長年家にあった錬金術師のメルキアデスが羊皮紙に書いたこの一家の予言をアウレリャノ・バビロニアが読み解き、知らずに自分が叔母と結ばれたことを知り、このマコンドが廃墟となりこの家系が消滅することを悟ります…。

壮大な一族のお話。情婦や情夫を持つことと、3人の子供のうち誰かが独身であることが何世代にも渡って引き継がれていて、それが一族の知らずしてそうなってしまう不文律みたいのようなものに感じました。長い目で観たらこういうことってあるのかもしれないなあとちょっと怖くなりました。キラキラ輝いた言葉がたくさん使われていて読んでてそれが楽しかった。まるで旅先で面白いものを見つけて時めいてるみたいな感覚だった。ガルシア・マルケスの他の著書も読んでみたいです。

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-05-19 16:24) 

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