SSブログ

燃ゆる女の肖像画 [フランス映画]

フランス映画「燃ゆる女の肖像画」(Portrait of a Lady on Fire)を観ました。

燃ゆる女の肖像 [Blu-ray]

燃ゆる女の肖像 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2022/04/06
  • メディア: Blu-ray

2019年の作品。IMDb評価は8.1。カンヌ国際映画祭の脚本賞とクィア・パルム賞受賞。18世紀のフランスのブルターニュを舞台に結婚を望まぬ貴族の娘と彼女の肖像画を描きに来た絵描きの女性の愛を描く。美しい絵画のような映画でした。セリフがなく静かな時間が多く、部屋を歩く靴の音、暖炉の薪が燃える音、ろうそくの揺れる音、波の音、風の音などが良く聞こえました。

ミラノの見合い相手に送る肖像画を描く依頼を出したエロイーズの母。エロイーズ(アデル・エネル)には姉がいたが自殺していた。そのため修道院から呼び寄せられ今はメイドと共にブルターニュの孤島に住み、姉の代わりに嫁ぐことになっているがエロイーズは乗る気でない。見合いのための肖像画であることを伏せ、表向き散歩相手として呼び寄せられた絵描きのマリアンヌ(ノエミ・メルラン)は、日中エロイーズに寄り添い散歩しながら彼女の横顔や表情を記憶に残し、部屋に戻ってからその記憶を手繰り寄せながら、エロイーズの肖像画を描き始めるのだった…。オルフェの話をしたり(冥界から地上に出る時に妻の方を振り返ってはならないという約束を守れず、妻は奈落の底へと突き落とされる)、メイドが望まぬ妊娠をしたため二人が堕胎に協力したり、メイドが薬草を股に入れられ堕胎してる様子を絵にしたり…。二人は徐々に打ち解けマリアンヌは自分が来た目的をエロイーズに包み隠さず話し、お互いに好きだと知り残りの日々を過ごします。絵が仕上がると二人は別れそれぞれの道を進みます。マリアンヌは自分の作品、オルフェを題材にした作品を父の名で品評会に出したときに、別の画家の絵の中にエルローズとその子供をモデルにした絵を目にします。また観劇に行ったときに真向いの二階の観客席にエルローズがいるのを発見したマリアンヌでしたが、エルローズはマリアンヌを見ずに涙を堪えているようでした…。

島に到着する様子が、映画「ピアノ・レッスン」の海から島に降り立ったシーンを思い出させました。たぶん衣装が似てて、陸に着いた時に海水でびしょ濡れになってる様子が印象的だからかなあと思うのですが(「ピアノ・レッスン」は19世紀のニュージーランドが舞台だったけれど)。電気がなくてろうそくだけの世界。コツコツ足音が響く室内。外に出れば断崖絶壁と海が広がり、砂浜でゆっくりおしゃべりと散歩。基本、静かな世界で西洋絵画の中に入り込んだ感じの印象の映画。同性愛を描いていてつかの間の出会いと、その後の2回のわずかな再会。さらりと描いていて美しかった。naonaoお勧め度★★★★★

nice!(14)  コメント(1) 
共通テーマ:映画

nice! 14

コメント 1

naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-06-05 10:35) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。