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少年の君 [中国映画]

中国、香港映画「少年の君」(原題:少年的)(Better Days)を観ました。

少年の君[Blu-ray]

少年の君[Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2022/02/02
  • メディア: Blu-ray

2019年の作品。IMDb評価は7・6。青春純愛ドラマ。いじめ、受験戦争、ストリートチルドレンの問題を扱っている社会派ドラマでもありました。香港電影金像奨で作品賞など8冠に輝く。主役二人の演技が何より輝き素晴らしかったです。

大学受験を控えているチェン・ニェン(チョウ・ドンユイ)は母が借金してその返済に追われ、家に戻っても誰もいない。学校で飛び降り自殺をした友人に上着をかけてやると、その子の代わりに今度は自分が学校でいじめに遭うことに。いじめっ子たちは自分の家にまで来て嫌がらせをする。以前チェンは道で喧嘩に絡まれていた少年シャオペイ(イー・ヤンチェンシー)を咄嗟に助けたことをきっかけに、シャオペイの家に寝泊まりするようになり、シャオペイにいじめっ子たちから自分を守ってほしいとチェンはお願いする。シャオペイは小さな時からストリートチルドレンとして盗みをしては、元締めの親分からお金を巻き上げられるような生活を送っていた。チェンが大学に合格したら二人して北京に行って新しい人生を始めようと希望に胸膨らませていたのですが、大学入試の当日、いじめっ子のウェイが死体で発見されシャオペイが婦女暴行の容疑で警察に捕まる。ウェイはあくまで自分がウェイを殺したと言い張るが、刑事はおかしいと感じチェンに鎌をかける。「人に罪を被せたらチェンもダメになる」「シャオペイは未成年ではないしたくさんの罪を重ねてきたので死刑になる」と。するとポロポロと大粒の涙がチェンの頬をつたわるのでした。実は謝りに来たウェイをチェンは階段から突き飛ばしウェイが頭を打ち即死。チェンとシャオペイがその死体を運び森で埋めたのでした…。

ずっと孤独で一人で生きてきたシャオペイは、小さな時から犯罪に手を染めてきており周りのいろんな人から暴力を受けてきています。優しい言葉をかけてもらったことのないシャオペイは「痛い?」とチェンに聞かれ「痛い?なんて初めて聞かれた」とボソッというのです。それが何とも切なかった。チェンの犯した罪をシャオペイ一人で背負おうとしますが、最後はチェンがシャオペイが死刑という言葉を聞いて感情も隠しきれず赤の他人でいることをこれ以上装うことなどできなかった。その時の涙は観ていてこちらも涙しました。二人が罪をそれぞれ償い、何年か後にチェンは学校の先生になり、彼女の通勤のその後ろにはシャオペイが歩いていました。シャオペイがかつて彼女を守って歩いていたのと同じように…。

チェンが大粒の涙を流すシーンがいくつかあり、それがとってもうまかったし心打ちました。チェンを演じたチョウ・ドンユイは先日観た「サンザシの樹の下で」のヒロインで、演技力抜群だなあと思いました。また孤独な二人が心を寄せ合い生きていく姿も良かったし、中国の受験戦争の激しさや、ストリートチルドレンの様相などを背景に良くできている映画だと思いました。孤独な二人が心惹かれていく純愛の部分が三木孝弘監督の「ホットロード」を思い出させました。naonaoお勧め度★★★★★

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-07-27 12:39) 

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