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ダージリン急行 [Wes Andersonウェス・アンダーソン]

アメリカ映画「ダージリン急行」(The Darjeeling Limited)を観ました。

ダージリン急行 [Blu-ray]

ダージリン急行 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2018/08/17
  • メディア: Blu-ray

2007年の作品。IMDb評価は7・2。ウェス・アンダーソン監督。インドを舞台に三兄弟が繰り広げる珍道中。ウェス・アンダーソン監督らしい雰囲気、色彩、装飾。ダージリンに行ったことがあるけれど、こんな内装の可愛い列車だったら(ゾウの絵がたくさん描かれている)本当に楽しいだろうなあと思いました。

父の葬式後、長男フランシス(オーウェン・ウィルソン)の呼びかけで三兄弟でインド旅行をすることに。長男は事故で包帯を巻きながらの参加。次男ピーター(エイドリアン・ブロディ)は妊娠している妻との離婚を考え、三男ジャック(ジェイソン・シュワルツマン)は別れた彼女を忘れられないでいる。寺を廻ったりしながら、三兄弟は尼僧になっている母を訪ねることに…。

ジャックが乗務員の女性と関係を持ったり、ヘビ騒動や路線間違いやら…。その後兄弟がペッパースプレーを使って喧嘩して列車を下ろされたりと、散々な旅。川を渡ろうとする地元の子供たちが流されるのに出くわし、彼らを救出するも一人の男の子が亡くなり、葬式にも参加。そして母に会いに行くと母は翌朝いなくなっていた…。

三兄弟が持っているボストンバッグ、アタッシュケース、ショルダーバッグ、そしてベルトがお揃いの絵~キリン、サイ、アンテロープ、ヤシの木の絵が入ったもので可愛らしかった(マーク・ジェイコブスが作ったものらしい)。売っていたら欲しくなるくらい可愛いかった。インドが舞台なので煌びやかで色彩豊かな色があちこちに使われていて(インドの民家の青い壁も素敵な色だった)、自分のかつてしたインドの旅を思い出しました。列車内の3ベッドになっている作りとか、途中止まる何もない田舎の駅、ローカルバスやオートリキシャー、女性の美しいサリーの色や寺の感じなんかも懐かしかった。ゾウの装飾含めて列車内自体がきっとこの映画仕様なのでしょうが、こんな列車を本当に走らせたらもっと人気出るだろうなあと思いました。映画の中で砂漠のようなところが出てきて、どうもダージリンに本当に向かっているのか疑問だったので調べてみたら、ロケ地はラジャスタン地方でジョドプールからジャイサルメールの間らしく、なるほどと思いました。ラジャスタン地方はピンクシティのジャイプール(日本びいきの現地人に出会い、滞在中食事をご馳走になってました。街中も案内してもらった)、湖があってインドのお金持ちたちがたくさん遊びに来てたウダイプール、もろ避暑地のマウントアブに行ったことがあり(先日北海道旅行した友人と一緒。この旅行で知り合った仲)、暑い4月の時期だったので砂漠のあるジャイサルメールは敢えて避けて行かなかったことを思い出していました。ブルーシティのジョドプールはインドを廻っていた時、この町の名前すら知らなかった。いつか行きたいです。涼しい時期に。

この映画観て、インドを思い出しインドにまたも行きたくなった。インドが舞台というだけで私の中では評価高め。ストーリー展開が今一つであっても、小物類も可愛いし、色彩が好きなので。naonaoお勧め度★★★★★

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ムーンライズ・キングダム [Wes Andersonウェス・アンダーソン]

アメリカ映画「ムーンライズ・キングダム」(Moonrise Kingdom)を観ました。

ムーンライズ・キングダム スペシャル・プライス [Blu-ray]

ムーンライズ・キングダム スペシャル・プライス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2014/11/05
  • メディア: Blu-ray
2012年の作品。IMDb評価は7・8。「グランド・ブタペストホテル」のウェス・アンダーソンが監督、脚本、制作。映像が洒落てます。絵本の世界みたいで可愛らしい。物語も坦々と進みそれがちょっとコミカル。独特のカメラワークも健在で、この監督らしい映画でした。

1960年代のアメリカの島を舞台に12歳の男の子と女の子が逃避行とそれを追う大人と子供たちの物語。ボーイスカウトにいるサムは里親と共に暮らしていたのですが、里親からも見放されることに。そして福祉局の人からもう里親を探すことはできないと孤児院へ入れられそうになります。双眼鏡を覗くことが好きなスージーは学芸会に飛び入ってきたサムと会い長く文通し心を通わせています。二人はある日家出して(サムはボーイスカウトを脱走して)島で一緒に過ごすことにします。追手から逃げるため別のボーイスカウトのところへ行き、二人は結婚式を挙げます。最後は無事に二人とも戻り、行き場のないサムを警察官が引き取って育ててくれることになります。ハッピーエンド…。

何てかわいい映画なのでしょう。色使いも好きだし、カメラワークが奥から前のほうへ、そして左から右へずっと平行に流れ独特です。被写体がすべてミニチュアみたいな感覚。箱庭を観ている感覚になります。まるで絵本。坦々と進む物語も何だか微笑ましいし。「グランド・ブタペストホテル」はこの映画をさらに手をかけて完成させた感じの映画で大好きでした。この映画も良かった。ウェス・アンダーソン版の「小さな恋のメロディ」との別名があり、その通りだなあと思いました。とってもほっこりして楽しい映画でした。

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グランド・ブダペスト・ホテル [Wes Andersonウェス・アンダーソン]

「グランド・ブダペスト・ホテル」を観ました。

ベルリン国際映画祭銀熊賞審査員グランプリ受賞、ゴールデングローブ賞コメディミュージカル部門作品賞受賞、アカデミー賞9部門ノミネート中、とのことで気になっている映画でした。アカデミー賞、一体この映画はいくつ獲れるでしょうか!?

グランド・ブダペスト・ホテル(初回生産限定) [Blu-ray]

グランド・ブダペスト・ホテル(初回生産限定) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: Blu-ray

映画公式サイト:http://www.foxmovies.jp/gbh/

ウェス・アンダーソン監督作品。伝説のコンシェルジュ、グスタフ・H(レイフ・ファインズ)の下について働いたベルボーイのゼロ(トニー・レボロリとF・マーレイ・エイブラハム)が、グランド・ブダペスト・ホテルを手に入れた経緯を泊まりに来ていた作家(ジュード・ロウ)に話す物語。そしてその物語を本という形でまとめ、その本を読んだ読者が既に亡くなった作家の墓に来てお祈りしているという形をとった映画です。

お客のマダムDが亡くなり、懇意にしていたグスタフ・HがマダムDの遺言で絵画を残されるも、残った家族、特に息子(エイドリアン・ブロディ)は面白くありません。「絵画なんかくれてやるものか」といったことを言われたため、グスタフはその絵画を盗みホテルに隠しておきます。そのうちマダムDの殺害容疑がグスタフにかかり刑務所送りとなりますが、脱獄を決行。他のホテルの支配人に電話をして匿ってもらうため場所を転々とします。時代は2回の戦争を繰り返しホテルも軍部に乗っ取られ、マダムDのすべての遺産がグスタフに残された遺言がみつかり大金持ちになるグスタフですが、最後はまた列車移動中に兵士によって殺されてしまいます。そしてすべてを観ていたゼロが全財産を引き継ぐことになったのです…。

戦争の時代でもあり、人が殺され殺人容疑で刑務所送りになって…とストーリーだけだと暗い感じなのですが(実際に残虐な場面もありますが)、ミステリーであり、コメディーであり、全体的にポップで、何よりテンポがよく音楽も軽快。まるで絵本から飛び出したようなセットやオモチャ感があり、色彩もきれいで、ちょっと使われない配色がたまらなく、可愛らしいおとぎ話を観ているような感覚でした。これぞヨーロッパという荘厳で重厚なホテルのセットも良かったし、色の使い方、光の使い方も良かった。芸術面、美術面で特筆すべき映画でした。ドイツのゲルリッツという場所がロケ地となったようで(この街はドイツ、ポーランド、チェコに国境が近い街らしい)、機会があったらこの地を是非訪れたいなあと思いました。パステルカラーの街並みが本当に可愛らしい。

マダムDの遺族に雇われたスナイパーみたいな人にウィレム・ディフォーが出ていて、あとからチェックするとハーベイ・カーテルも出ていたことがわかり一体どこに?と調べたら刑務所の中で体中にタトゥーを入れていた人でした。

上質な映画を観ると幸せな気分になります。お勧めです。


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