レオン [フランス映画]
私の名前は… [フランス映画]
最強のふたり [フランス映画]
シークレット・オブ・モンスター [フランス映画]
ニッショーホールで「シークレット・オブ・モンスター」を観てきました。
イギリス、ハンガリー、フランス映画です。
映画公式サイト:http://secret-monster.jp/
結構怖い映画でした。特に音楽が心臓に悪くて、音楽だけでも十分怖い映画でした。サルトルの短編小説「一指導者の幼年時代」から着想を得て、脚本を完成させたコーベットは監督業も兼任。ヒットラーの幼少期もこんな風に形成されていったのかと思わせるような映画でした。
第一次世界大戦終結後にアメリカからフランスへと送り込まれた政府高官の一家。数か国語を操る信心深い妻と息子がいたが、政府高官の夫は家庭の一切を妻に任せきりにしていた。家にはたくさんのお手伝いさんがいて、中の一人が息子を溺愛していたが、息子の教育にならないと母親はこのお手伝いを解雇。また息子にはフランス語を学ばせるために家庭教師を雇ていたが、そのうち息子は自分一人で学んでいけるといい出し、家庭教師も来なくなる。
息子はある時は教会で人々に石を投げつけたり、ベッドの上で飛び跳ねたり、また家に客をもてなしているときに裸で家の中をうろうろしたり、食事の前のお祈りを母親からお願いされると「そんなの信じてたことない」と大声で何度も何度も客の前で騒ぎ…、と色んな事件を起こします。よくある子供のさもない事件と思いがちですが、最終的にはヒットラーのような独裁者になってしまいましたとさ、という結末。ぞっとしました。
映像も古くて大きな由緒正しき家が舞台で、とっても荘厳な家が舞台ですが、 暗く重苦しい雰囲気がまるでこの子供の人生をがんじがらめにしているかのよう。重苦しさが映画全体を覆って、かなり気の滅入る映画でした。
また子育てはいったい何が正解で、一体何がダメなのか、難しいのだなあと思った作品です。
おまけ:
久々の試写会でした。他にも「湯をわかすほどの熱い愛」「ぼくの妻と結婚してください」の試写会もありましたが、予定が合わず観に行けませんでした。両方とも涙なしには観れない映画らしいので、また泣きたい気分になったら観てみたいと思います。
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ [フランス映画]
一ツ橋ホールで「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」を観てきました。
映画公式サイト:http://kisekinokyoshitsu.jp/
フランス映画。世界中の映画祭の数々の賞を受賞しています。サンタバーバラ国際映画祭観客賞、トロントユダヤ映画祭最優秀作品賞、セントルイス国際映画祭最優秀作品賞、コルコアフランス映画祭特別観客賞、ボストンユダヤ映画祭観客賞、ワシントンユダヤ映画祭観客賞最優秀作品賞…。
フランスのある高校の落ちこぼれクラス。そこで一人の教師が全国歴史コンクールに参加するように呼び掛けます。テーマは「アウシュビッツ」。人種もいろいろ、肌の色もいろいろ、宗教もいろいろでまとまりのないクラスが、いつしかこの「アウシュビッツ」を調べるうちにまとまり、そして見事コンクールで優勝するのです。真実の物語です。
この映画はフランスがいかに多民族で多宗教でそれをまとめて学校で授業を行うことがいかに難しいかが良くわかる映画でした。イスラムの習わしから女生徒はスカーフを被ったまま授業に出席したい。けれどもそれは公的な場所に宗教を持ち込むことができないフランスでは、認められないのです。そのため学校側と生徒は争うことになります。また授業で教会の建築物の地獄のレリーフの説明がなされます。その地獄にはイスラムの予言者ムハンマドがいて、イスラム教徒の生徒たちはその説明に反発します。
これだけでも大変だなあと思いました。
また落ちこぼれと言われるそのクラスで、「アウシュビッツ」に関する研究をしていきますが、ガス室はフランスにもあったという事実。知りませんでした。ヨーロッパ全土にあったのですね。映画では生き残りの人の話を聞いたり、その当時の写真を見たり、それだけでもやはり気分は重くなります。「アウシュビッツ」に関しては色んな本や映画でさんざん観てはきましたが、やはりこのテーマは気分がかなり重くなります。
主役のゲゲ先生も生徒一人一人も、皆演技がうまく、良くできている映画でした。夏休みに子供たちが観るのにいい映画かもしれません。