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エール! [フランス映画]

「エール!」をニッショーホールで観てきました。

ポスター画像

映画公式サイト:http://air-cinema.net/

フランス映画祭観客賞最高賞受賞、セザール賞、リュミエール賞の最優秀新人女優賞受賞(ルアンヌ・エメラ)、リュミエール賞最優秀女優賞受賞(カリン・ヴィアール)。フランスでは4週連続No.1で750万人が観たという映画です。

田舎暮らしの高校生のポーラ。彼女の家族は両親と弟でポーラを除く家族みんなが耳が聞こえません。耳の聞こえるポーラが、酪農一家の自家製チーズを売るのに一役買い、そして手話で家族の言いたいことや人の言っていることを通訳しています。父親が地元の村長に立候補し、そのためのテレビ撮影などのインタビューも彼女が通訳し、彼女はこの家族になくてはならない存在です。

高校では気になる男の子と同じ合唱部に入部し、その子と共に教師から才能を見出され、一緒にレッスンを受けることになります。そしてパリでのオーディションの話まで持ち上がるのですが…。

最後に家族が足手まといになり、パリでのオーディションも受けられなくなるかと思いましたが、何とか道が開けました。結構可笑しくて、笑えて、音楽がたくさん入っていて、なかなか良かったです。フランスのオーディション歌番組で一躍スターになったルアンヌ・エメラが高校生のポーラを等身大で演じています。音楽を扱った映画はいつも素敵だし、それだけでも感動ですが、そこに笑いがあって泣けるとなるとさらに心に響きます。お勧め映画です。


 おまけ:

東京国際映画祭が明日までやっています。コンペティション作品をどれでも観ることができる招待券をいただいたのですが、非常に残念なことに、朝の9時30分から当日券に引き換え、しかも席があればという酷い条件でしたので、観たい作品どころか観れる作品をネット上で探すのに一苦労で(席が全然残っていない!)最終的には面倒くさくなりこの権利を放棄しました。毎年このような招待券があるのか不明ですが、結構迷惑な招待券だったなあと思いました…。


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シェルブールの雨傘 [フランス映画]

「シェルブールの雨傘」を観ました。

シェルブールの雨傘 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: Blu-ray

今ならGYAOで無料で観られます。

1964年のフランス映画。カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞。セリフすべてに音楽がついているミュージカル仕立てで、主演のカトリーヌ・ドヌーブの美しさが際立ち、また部屋の壁紙や衣装の色彩がポップで明るくまるでおとぎの世界のよう。この映画のタイトルと音楽は知っていましたが、初めて観ました。切なくて胸がいっぱいになる映画でした。

母の経営する傘屋で働くジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と、自動車修理工場で働くギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)は16歳と20歳の恋人同士でした。しかしギイはアルジェリア戦争へ2年間徴兵され、二人は離れ離れになります。2年間待ってというギイに対し、2年間も待てないというジュヌヴィエーヴ。ジュヌヴィエーヴはギイの子供を身ごもったのですが、ギイは戦地に行ったままなので不安になるジュヌヴィエーヴ。その間、家に出入りし、母も気に入っている宝石商の男性からジュヌヴィエーヴは求婚されます。ギイの子供を身ごもっていても求婚しジュヌヴィエーヴを愛するという宝石商と、ついには結婚を決意するジュヌヴィエーヴ。

2年後ギイは戦地から戻ります。恋人が結婚してしまったとは知らされていなかったギイは、恋人の結婚に失望し荒れた生活を始めます。しかし同居していた叔母が亡くなり、その面倒を見てくれていたマドレーヌが家を去ろうとしたとき、ギイはマドレーヌに求婚し、二人は結婚するのです。

何年かして自らガソリンスタンドのオーナーとなったギイ。クリスマスが近い雪の降る日、ギイの奥さんのマドレーヌと子供は買い物に出かけました。その直後、ジュヌヴィエーヴが子供を乗せて運転する車が給油のためにギイのガソリンスタンドに偶然立ち寄ります。お互いがかつての恋人であったとすぐに悟る二人。お互い元気だったか確認し合い、(車の中にいるギイとの間の)子供に話をするか、ジュヌヴィエーヴが尋ねても首を振るギイ。そしてそのまま立ち去るジュヌヴィエーヴ。そのあとギイの奥さんのマドレーヌと子供が戻り、ギイの家族は何事もなかったように3人で楽しげに雪遊びをするのでした。

映画鑑賞後ふと、昔観た映画「草原の輝き」を思い出しました。ナタリー・ウッドとウォーレン・ベィティ主演の「草原の輝き」のほうが有名でスタンダードですが、私はドラマ「大草原の小さな家」でローラ役をやったメリッサ・ギルバート主演での映画「草原の輝き」を観ています。この映画もジーンとくる悲恋物語でした。あまりにも若くして恋人同士であった二人は最終的にはお互い別々の人と結ばれ、二人がある日再会し、言葉を交わすラストが、どちらの映画も同じ気持ちにさせるなあと思いました。どんなに愛し合ってもそのタイミングが合わなければ、結婚にまでは行きつかない。男女のすれ違いは、この2本の映画のテイストやディテールに大きく隔たりがあるにしても、何だか永遠のテーマのように思えました。久々に「草原の輝き」も観てみたくなりました(今度は本家のナタリー・ウッド版で観ようかな)

色彩のことに関して言えば、水色とピンク色などパステルカラーなどふんだんに使っていて、本当にオシャレで楽しかったです。部屋の壁紙と衣装の色がよくコーディネートされていて、芸術面で二重丸。素敵すぎでした。女性ならきっと好きな色使いだと思います。今年アカデミー賞で美術賞など獲った映画「グランド・ブタペスト・ホテル」とか、ジェームズ・マカボイが出てる映画「ペネロピ」、岡田将生くんが出たドラマ「フキデモノと妹」に共通する夢ある色使いで、こういう色に気を使った映画は私自身本当に大好きだと思いました。何だか今でもその色使いのためか、素敵なファンタジーを観た気がします。

この映画がもう50年以上経っているということが、驚きです。全く古さを感じさせません。不朽の名作と言われてますが、本当にその通り。上質でいい映画を観たなあと思いました。私の好きな映画のベストテンに入るくらいの好みの映画でした。


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幸せはシャンソニア劇場から [フランス映画]

映画「幸せはシャンソニア劇場から」を観ました。

幸せはシャンソニア劇場から [DVD]

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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

2008年フランス、ドイツ、チェコ映画。1930年代、パリのシャンソニア劇場が世界恐慌のため閉鎖となり、その劇場の裏方として働いていたピゴワルは仕事を失い、その上一人息子のジョジョが補導され子供を養育できないと見なされ、親権が母親に移ってしまいます。かつての活気あるシャンソニア劇場を再建させるため、仲間を集めて奮闘するのですが…。

時代が世界第二次大戦前で、ドイツ占領下にあり、ナチの集会があったりしてきな臭い雰囲気の中、歌姫が現れ、一人息子のジョジョを取り戻しジョジョもアコーディオンを弾いてメンバーに加わり、劇場もどんどん盛り返していきます。歌姫と裏方の若者の恋物語もあり、また歌姫が引き抜かれてはどんどんビッグになっていき、その後もう一度シャンソニア劇場を建て直したいということで、オーナーに金を出すことと引き換えに歌姫は体を要求されたり、またその歌姫をラジオで聞いてその母親を歌手として育て上げた今は家に閉じこもりのラジオ男が、俄然やる気を出し、彼女とのタッグを組みたいと願い、それが叶った時には、また更なる煌びやかな世界を見る復興の物語です。しかし、殺人事件が起き、お金が盗まれ、自分たちの劇場を建てる夢が一歩手前で果ててしまい、歌姫の恋人であった若者を守るために銃で人を殺してしまったピゴワルは、10年間の刑に服すこととなります。そして10年後刑を終えて娑婆に出てきてシャンソニア劇場の前まで来ると、息子のジュジュのポスターが張られ、劇場内ではジョジョのコンサートが行われている最中であると知るのです。父親のピゴワルはひっそりと劇場前で佇んでいるラストでした。

後半の劇場での音楽がとにかく素晴らしかったです。人生紆余曲折あったけれど、最後は子供ジョジョが立派に成長し、アコーディオン奏者になっている、しみじみとしたラストでした。こんな感じのストーリー展開の映画、どこかで観たなと思うのですが思い出せません。この映画の触れ込みが「ニューシネマパラダイスの感動をもう一度」というものだったのですが、まあまあ良かったです。そうはいっても「ニューシネマパラダイス」に代わるものはなかなかないことは確かですけどね…。


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アンジェラ [フランス映画]

「アンジェラ」を観ました。

アンジェラ スペシャル・エディション [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD

今なら、GYAOで無料配信されています。

2005年のフランス映画。リュック・ベッソン監督、脚本、製作映画です。

マフィアに多額の借金をし、首が回らなくなったアンドレ(ジャメル・ドゥブーズ)は、セーヌ川に身を投げようとアレクサンドル3世橋にやって来ました。しかし、同じように身を投げようとしている長身で金髪の女性(リー・ラスムッセン)が。彼女は川に飛び込んでしまい、アンドレは彼女を助けます…。

白黒映画でパリの素敵な雰囲気、映像とマッチした音楽、それに結構テンポのいいストーリー展開。どれもドンぴしゃりとはまっていてとっても素敵な映画に仕上がっていました。人生が立ち行かなくなり、ちびでみすぼらしく、しょぼいアンドレと、片やファッション誌から抜け出してきたような長身で金髪の美しいアンジェラ。このコンビネーションがなかなか良かったです。アンジェラはアンドレを叱咤激励し、「本当の自分を出しなさい」というメッセージが心に響きます。また最初は一体このアンジェラって何者なのと思うのですが、だんだん正体がバレてきます(その正体はアンジェラという名前にヒントがあるのですが…)ファンタジーでもあり、恋愛映画でもあり、人生やり直しの映画でもあり、セリフも気が利いていてメチャクチャ良かったです。最後のハッピーエンドも幸せな気分にしてくれるし、人生を考えさせてくれる映画にもなっていて、何年か後にまたこの映画を観直したいなあと思いました。それくらい素敵な映画でした。お勧めです。


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最初の人間 [フランス映画]

ニッショーホールで「最初の人間」を観てきました。

最初の人間の場面カット画像 

映画公式サイト:http://www.zaziefilms.com/ningen/

「異邦人」を書いたノーベル文学賞作家のカミユの作品。1960年に交通事故でなくなってから30年以上経って初めてフランスでこの作品は未完作品のまま発売されベストセラーとなり、その作品を映画化。生まれ育ったアルジェリアにフランスに住む作家が里帰りする、思い出と今を交錯させながら見せるカミユの自伝となっている作品です。

1957年の夏にフランスからアルジェリアに里帰りした作家コルムリ。フランス領アルジェリアはフランスからの独立を望み、独立紛争が起きていた。母親に会い、自分の幼き時を思い出し、貧しかった家のこと、厳しくいつも怖かった祖母や、進学への道を切り開いてくれた優しい恩師、小さな子供に煙草を勧めたりする叔父など、次から次へと幼少時代を思いだし、またそこで再会したりする物語でした。

アルジェリアの北アフリカらしい白い家と地中海の青色などの風景が、良く似たモロッコを旅行した時のことを思い出させました。アルジェリアのほうがモロッコよりより美しく整っている感じがしました。フランスとアルジェリアという2つの世界。少年時代と今という世界。家は貧しく大変だったかもしれないけれど、地中海のキラキラ光る海のように幸せな風景が拡がっているそんな感じの映画でした。映像が絵画のようでした。物語も坦々と進み、歳を老いて若き日のことを思い出せば皆こんな感じになるのかもなあと思いました。

今月15日から岩波ホールで公開です。

最初の人間 (新潮文庫)

最初の人間 (新潮文庫)

  • 作者: カミュ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/10/29
  • メディア: 文庫
異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

  • 作者: カミュ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1954/09
  • メディア: 文庫

ペスト (新潮文庫)

ペスト (新潮文庫)

  • 作者: カミュ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1969/10
  • メディア: 文庫

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