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吹上奇譚 第三話ざしきわらし、 1日、1個河原にパンを拾いに行く。つれづれノート㊳ [本]

この何か月かで読んた本です。


吹上奇譚 第三話 ざしきわらし (幻冬舎単行本)

吹上奇譚 第三話 ざしきわらし (幻冬舎単行本)

  • 作者: 吉本ばなな
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2020/10/21
  • メディア: Kindle版

好きな吉本ばななの本。ただそこで生きているだけでいい。何もしなくても。宇宙の中にすべて組み込まれているから。そんなメッセージが伝わって来ました。去年から始まって今もなお韓国ドラマを飽きずに観てるので、ウォンビンの名前が出てくるとすぐ反応してしまいました。キアノ・リーブスの「マトリックス」もまた観たいなあと思いました。


1日1個、川原にパンを拾いに行く。 つれづれノート38 (角川文庫)

1日1個、川原にパンを拾いに行く。 つれづれノート38 (角川文庫)

  • 作者: 銀色 夏生
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/10/23
  • メディア: 文庫

銀色さんのつれづれノートの38。

映画「パラサイト」「ビックフットリトルファーム」、ドラマ「梨泰院クラス」、テレビの「猫のしっぽ カエルの手」、インドのラダック。それらの言葉に反応する私。コロナ禍でも宮崎と東京を行き来する日々。サク君大きくなって就職が決まった模様。東京でのプール通いも疎遠となり、あまり変化のない中でも少しずつ変化してる。昔のつれづれノートのほうが断然面白かったように思えるし最近今一つと思うのだけど、これからも引き続き読んでしまうのだろうな。


ある男

ある男

  • 作者: 平野啓一郎
  • 出版社/メーカー: コルク
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: Kindle版

去年初めて平野啓一郎の作品を読んでみたけれど、結構サクサク読めて面白かったので、今回もチャレンジ。「ある男」を読みました。

結婚し亡くなった夫が実は名乗っていた人とは全くの別人であることが判明。弁護士を通じて夫は一体誰だったかを調べてもらうことになると言う面白い設定でした。戸籍を交換して名前を別人に替え、その人の人生そのものも替えてしまうというお話で、刑務所に入ってる男がその商いをしていて、その後facebookやスカイプを使い重要な手がかりをつかみ問題解決していきます。問題解決という点ではすっきり。残った家族の気持ちを考えるとかなり気の毒ですが。

千住のあしたのジョーに所縁のあるボクシングジムやスカイツリーなんかも出てきて、特にスカイツリーは何度も行って知っているのでその状況描写が楽しかったです。


村上T 僕の愛したTシャツたち

村上T 僕の愛したTシャツたち

  • 作者: 村上春樹
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2020/06/04
  • メディア: Kindle版

「村上T 僕の愛したTシャツたち」

雑誌ポパイで1年半にわたって掲載されたTシャツにまつわる話とインタビューの本。Tシャツの写真が半分なのであっという間に読んでしまいました。でも面白かったです。

興味深かったのは販促で「ダンス ダンス ダンス」「ノルウェイの森」「村上RADIO」のTシャツなんかもあること。「ダンス ダンス ダンス」は本の装丁のイラストそのままで、欲しいなあと思いました。「ノルウェイの森」のTシャツは緑と赤のTシャツ2枚でまさに「ノルウェイの森」の本を象徴する色そのままのTシャツ。またスペインの出版社が「KEEP CALM AND READ MURAKAMI」(気持ちを落ち着けて村上を読もう)というロゴの入った緑色のTシャツを作ったりと。でも作者本人は本人とばれてしまっては困るから着れないと言っていて、それならこのTシャツも欲しいなあと思いました。それと「I PUT KETCHUP ON MY KETCHUP」(ぼくはケチャップにまでケチャップをかけちゃうんだ)というハインツが作った真っ赤なTシャツを着てると、ケチャップ好きなアメリカ人から「いいね。そのTシャツ」と声を掛けられるそう。気の利いたロゴの入ったTシャツはコミュニケーションを生んでいいなあと思いました。インタビューの中で「吉本ばななさんにもらったTシャツを中に着てる」と話していて、時々エッセイに吉本ばななも村上春樹先生とか言っているので親しいんだろうなあとも思いました。


そこにある山-結婚と冒険について (単行本)

そこにある山-結婚と冒険について (単行本)

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/10/20
  • メディア: 単行本

久々の角幡氏の文章。やはり彼の文章が好きだ~と思いました。「なぜ結婚したのですか?」という質問を受けることが多くなった角幡氏。「なぜ山に登るんですか?冒険するのですか?」同様答えづらい質問に真っ向から答えています。

「「結婚」は選択でなく事態だ」と。「意思や計算や理性を超えた制御不能な大波にのみ込まれることで生じる事態だ」「人はなぜ冒険するのですか」もこれにあたり、「思いつき」と「中動態」という言葉で説明をしています。思いついたらもうそれをやるしかない。わかる気がします。私も自分の中では大きな冒険であった世界一周旅行は、それをせずにはいられない状態だった。自分の意思ももちろんあったけれど、意思という言葉ひとつでは成し遂げられない何かかが働いていたと思うから。何をするにあたっても、それはその人の生き方そのものだから、なぜとか聞かないで欲しい気持ちがすごくわかります。

結婚して不自由になったかといえば益々自由度が増したという角幡氏。年を取り人生の固有度が増すとも表現してます。みんなオリジナリティある生き方をして、もっともっと自由になればいいなあと思いました。

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