ザ・ベスト・オブ・山種コレクション フェルメールからのラブレター展 [絵画・美術館展・博物館展]
2つの展覧会に行ってきました。
山種美術館での「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」とBunkamuraザ・ミュージアムでの「フェルメールからのラブレター展」です。
山種美術館は日本画専門の美術館で、今回はその美術館の所有するベストコレクションが観られるということでとっても楽しみにして観に行きました。期待通りに素晴らしかったです。前期展示と後期展示があり後期展示のみ行ったのですが、前期展示も行けばよかったと悔やまれます。その美術館のベストコレクションが観られることはそうそうないのでこういった企画がいろんな美術館であるといいなあと思います。
山種美術館HP: http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html
日本画:川端龍子《鳴門》、奥村土牛《鳴門》、《醍醐》、福田平八郎《筍》、
速水御舟《炎舞》〔重要文化財〕、《翠苔緑芝》、小倉遊亀《涼》、
上村松篁《白孔雀》、東山魁夷《満ち来る潮》、《年暮る》
加山又造《満月光》、平山郁夫《バビロン王城》 ほか
洋画:小出楢重《子供立像》、佐伯祐三《レストラン(オ・レヴェイユ・マタン)》 ほか
そういえば恵比寿駅から山種美術館に向かうときどこかの企業の建物前にミケランジェロのダビデ像↓が・・・。
フィレンツェにある本家本元と同じくらい巨大(4~5mある)なのでびっくり。何だかすごくお得な気分になりました。
そしてBunkamuraザ・ミュージアムでの「フェルメールからのラブレター展」に行ってきました。去年もBunkamuraでフェルメール展を観たばかりで、何だか妙にフェルメールばかり観てる気がしますが、今回も旅行に行ったことのないオランダの美術館所蔵のものがほとんどなので(特にアムステルダム国立美術館)それだけでも観る価値があり、個人所蔵作品も多かったのでこういう機会はありがたいなあと思いました。またBunkamuraがどれほどフェルメールに力を入れているかがわかるようなちらし↓・・・。3種類ありほかにもチケットの半券を出せば東急の店でお得なものをいただけるというちらしや「真珠の耳飾りの少女」の映画の再上映のちらしもありました。
Bunkamura ザ・ミュージアムのHP: http://www.bunkamura.co.jp/museum/
個人的には真ん中の「手紙を書く女」の部屋への優しい光線が彼女の黄色の服に反射した加減が本物の絵を前にしたときにとっても素敵で、この絵が一番気に入りました。ちらしにしたり買ってきた絵葉書のような印刷ではちょっと表現しきれてないのがやはり残念ではあります。また左の「手紙を読む青衣の女」の青衣に使われたラピスラズリの色がもっときれいな色かと期待していたのですが、本物の絵は自分のイメージしてた色とは違っていたのでちょっとこれはがっかりでした。絵葉書にしたりちらしにしたりしたほうが自分の好きな青に近く、本物と印刷の違いをやはり感じてしまいます。右側の「手紙を書く女と召使」も本物の絵のほうがもっと光線が入って明るい絵でした。
それにしても17世紀のオランダはヨーロッパの中では識字率が高く、手紙のやりとりが頻繁に行われていたとは驚きです。日本ではそのころどうだったのかなあと思います。江戸時代には寺子屋があったので日本も負けてなかったのかなあ。
近代日本画と山種美術館 (1983年) (朝日・美術館風土記シリーズ〈7〉)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1983/02
- メディア: -
安野光雅展、メアリー・ブレア展、フェルメールとフランドル展 [絵画・美術館展・博物館展]
久々の更新です。
先月から今月にかけて3本の展覧会に行ってきました。
まずは、安野光雅美術館開館10周年記念・安野光雅が描く「日本のふるさと情景」展~伊勢丹新宿店にて開催、を観て来ました。
東日本大震災の影響で伊勢丹自体が短縮営業していて、絵画展も時間短縮して公開されていました。伊勢丹全体が電気も落としていたので、ちょっと暗くていつもの感じとは違っていました。
安野光雅さんの絵はいろんな絵本で馴染み深く、しかもヨーロッパの街並みの絵が印象的だったのでこんな風な日本の原風景を描いているなんて思ってもみませんでした。だからちょっとした驚きでした。右上の絵は「津和野の記憶」というタイトルのついた水彩画でしたが、細かく描かれていてしかも可愛らしくいつまでも眺めていても飽きなかったです。どこか、アメリカ西部開拓時代の絵を描いたグランドマ・モーゼスの絵を思い出させました。(グランドマ・モーゼスの絵は新宿の損保ジャパン東郷青児美術館にいくつか常設展示されてます)グランマ・モーゼスの絵が好きな人は安野光雅さんの絵が好きだろうし、安野光雅さんの絵が好きな人はグランマ・モーゼスの絵も好きだと思います。私は両方の絵が大好きです。津和野に安野さんの美術館があること自体知らなかったのでいつか津和野に出かけたときには是非寄ってみたいと思いました。
そして何故か、安野光雅展を観にいったら入場の際に、銀座三越で開催する「メアリー・ブレア展~人生の選択、母の仕事」の招待券をいただきました。それでこの展覧会にも後日出かけてきました。
彼女はディズニー・スタジオで活躍したアーティストで1950年代に「シンデレラ」や「不思議の国のアリス」、「ピーターパン」のコンセプト・アートを手がけ、ディズニーランドでお馴染みの「イッツ・ア・スモール・ワールド」のデザインを担当し、国際色豊かな民族衣装を着たかわいい子供たちの絵を描きました。彼女が描いた「私は飛べる(I CAN FLY)」の絵本は当時の子供たちに大人気だったようで、ケネディ大統領夫人のジャクリーンが彼女宛に「子供たちの大のお気に入りです」とカードを送った展示もしてありました。ほかにも広告、商品パッケージなど数多く手がけていたようですが、彼女の絵はどれも可愛いらしく、来場していた子供たちにも大人気で「この絵の写真を全部撮っていこうよ」という声も聞こえてきました。
それから本命の渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで今月22日まで開催の「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展~シュテーデル美術館所蔵」を観て来ました。混んでいる時に行きたくないなあと思いつつ、結局ゴールデンウィークに行くしかなかったのでゴールデンウィーク中に出かけましたが、案の定大変な混みあいで閉口しました。やっぱり平日に行くべきでした。
ドイツ・フランクフルトのシュテーデル美術館からよりぬきの95点の展示。30数点しかないフェルメール作品のひとつ、《地理学者》が大きな目玉でしたが、ほかにもレンブラント、ルーベンス、フランス・ハンス、ヤン・ブリューゲルの父子・・・と見ごたえありました。でもやはり空間がなく、押し合いへし合い状態での絵画鑑賞はあまりにも残念。現地に行って是非観たい!!と思うのでした。
わたしは とべる (講談社の翻訳絵本クラシックセレクション)
- 作者: ルース クラウス
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09/23
- メディア: 単行本
メアリーブレア スケジュール帳(月間週間)【ティーパーティー】 [2011年 ダイアリー]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 株式会社 ハゴロモ
- 発売日: 2010/10/27
- メディア: Diary
フェルメール ――謎めいた生涯と全作品 Kadokawa Art Selection (角川文庫)
- 作者: 小林 頼子
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/09/25
- メディア: 文庫
おまけ:最近、以前紹介したブログ「伊勢ー白山道」http://blog.goo.ne.jp/isehakusandouを夢中になって読んでいます。
インド旅行中彫ってもらった白檀の仏様をチベタンのお坊さんに魂を入れてもらい帰国後ずっと母の供養のためと思って仏壇に入れていたのですが(そのほかにもタイの友人からもらった真鍮の仏様や中国で買った泥人形、ネパールで買った曼荼羅などなど)全て処分し身辺整理をしていました。個人で仏像を持つことはどうやら良くないと知ったからです。また人形も余計なものを呼んでしまうらしく、あまり良くないとのことで処分してました。またスペインで土産として買って姪にあげた人形が気になったので、「あげておいてすごく勝手なんだけどスペインで買った人形をできたら寺や神社に納めてきて欲しい」と弟(姪の親)にお願いしたところ、「人形が話しかけてくるから気持ちが悪いと子供が騒いでいたので随分前に人形の寺にお願いしてきた」との返答でした。これは最近体験した怖い事実でした。またお守りとか、宗教的、スピリチュアル的に守ってもらえるものと信じるあらゆるもの(パワーストーンなども)かえって運気を下げるらしいので、見つけては捨ててます。
レイキやスピリチュアルなセミナー、お金を払っても払わずともスピリチュアルなことでの様々なこと。オーリングテストやらヘミシング、新月への願いも、ヨガや瞑想も、これもあれも実は良くないことだったのか~とびっくりです。これらは体調を悪くし不定愁訴となり、命を短くするようです。私自身はヨガのストレッチ程度をしており(精神面での追求をせず簡単なストレッチ程度なら良いらしい)、瞑想はしようとするが何度やっても3日坊主というのが今となっては良かったと思います。(瞑想が極まれば結局はその分エンドロフィンなど余計に出て命を短くするらしいのでやらないほうがいいようです)
また以前この私のブログで「新月への願い」の紹介をしましたが、これは良くないことと「伊勢ー白山道」さんのブログで最近知りましたので、私はきっぱり止めました。私のブログを通じて「新月への願い」を知り今も実行している読者の皆様、是非「新月の願い」はストップすることをお願いします。どうやら月に願をかけるようなことは良くないらしいのです。月に限らず何かに願をかけるとは眼を欠けるに通じ、眼を奪ったり命を縮めるほどの請求があとから来るという話です。私のブログで紹介しこれが悪いと知った以上、黙っているわけにもいきませんのでこの場を借りご紹介させていただきました。
金子みすゞ展~みんなちがって、みんないい~ [絵画・美術館展・博物館展]
今週月曜まで日本橋三越でやっていた「没後80年金子みすゞ展~みんなちがって、みんないい~」を観てきました。
金子みすゞは大正期から昭和初期を代表する童謡詩人で、今や彼女の詩は小学校の教科書にも必ず登場するとのことで、たくさんの詩を通じて彼女の優しい眼差しが伝わる展覧会になっていました。
「みんなちがって、みんないい」といった言葉が大正から昭和初期に生きた人が発した言葉であるというのが何より驚きでした。
私と小鳥と鈴と
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のやうに、
地面(じべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに、
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
展示は彼女の生まれ育った仙崎や下関の当時の資料や遺稿手帳、そして彼女を愛する63人の著名人のメッセージや彼女の詩から受けたインスピレーションで作品を作るといったものになっていました。著名人の直筆の文や、彫刻、絵画、刺繍、楽譜、歌、朗読といろんな形で作品にしていたのが面白かったです。
その作品を寄せた人たちとは、漫画家の里中満智子、イラストレーターのやなせたかし、相田みつお館長の相田一人、児童文学作家のあまんきみこ、写真家の荒木経惟、女優の池内淳子、松たかこ、藤田朋子、小林綾子、テレビプロデューサーの石井ふく子、講談師の一龍斎春水、画家でコメディアンの片岡鶴太郎、作家のリリー・フランキー、ソプラノ歌手の佐藤しのぶなどなど。影響を受けた詩とともに彼らの作品を観るのは思いのほか楽しくいい企画だなあと思いました。
大漁
朝焼け小焼だ
大漁だ
大羽鰮(いわし)の
大漁だ。
浜は祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
鰮のとむらい
するだろう
金子みすゞの詩はこちらでたくさん読むこともできます(ちょっと開くのが重いですが)→http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/5778/
今回展覧会を通じて初めて彼女の一生に触れたのですが、26歳という若さで毒をあおり自殺したのがなんともおいしい感じがしました。夫と別れ、子供の親権がその時代の女性になく夫に子供を連れて行かれその抗議の意味で自殺という手段をとったらしいのですが、どんなことがあっても最後まで生を全うして欲しかったです。
週末は彼女の詩集を読んでほっこりとした気分になりたいと思います。
明るいほうへ―金子みすず童謡集 (JULAの童謡集シリーズ)
- 作者: 金子 みすゞ
- 出版社/メーカー: JULA出版局
- 発売日: 1995/03
- メディア: 単行本
大哺乳類展~陸のなかまたち 国立科学博物館 [絵画・美術館展・博物館展]
上野の国立科学博物館で今開催している「大哺乳類展~陸のなかまたち」のチケットを頂いたので出かけてきました。私はこれまで国立科学博物館に入ったことがなく、今回初めての入場でした。子供連れの方が多く子供たちの歓声があちこちで聞かれ、子供には大喜びの展覧会ですが、大人でも結構見ごたえがありました。
国立科学博物館サイト:http://www.kahaku.go.jp/
こんな感じで↑哺乳類が大集合。剥製がたくさん並んでいてかなりの迫力。アフリカ大陸にはモロッコとエジプトしか行ったことがない私ですが、剥製だけでも結構インパクトがあったので、アフリカ各国の国立公園などで実際に草原を走っている動物たちを見たらさぞかし感動するだろうなあ~と思いました。特に鹿の仲間やクマの仲間はすごく大きくてその大きさに圧倒されました。
それからこういった骨格標本↑もかなりの数あり、見甲斐がありました。
こちらは今回の展覧会の地図↑。実際にツノに触ったり、毛皮に触ったりするコーナーもあり、シートンやW.Tヨシモト、星野道夫など紹介するコーナーもありました。特に星野道夫の写真展に以前行ったことがあるので、彼の遺品(日記やブーツなど)は興味深く見ました。
帰りは上野公園内の桜を見てきました。この日は生憎の雨にも関わらず結構な人出でした。中国語やスペイン語、タイ語が飛び交い、あちこちでポーズをとってたくさんの人が写真を撮ってました。日本人よりも外国人のほうが多いくらいに感じました。
百段雛まつり~目黒雅叙園にて [絵画・美術館展・博物館展]
今日は、香川旅行のことはちょっと中断して、目黒雅叙園・百段階段で行われてた「百段雛まつり」のことについて。1月下旬から雛まつりの3月3日までやっていて、ギリギリの3月3日に行ってきました。
百段雛まつりイベントサイト:http://www.megurogajoen.co.jp/event/hinamaturi/index.html
ロビーにあった雛人形↑。
何が素晴らしかったのかというと、集められているお雛さまももちろん素晴らしかったのですが(名古屋の徳川美術館で観た徳川家のお雛さまたちにも負けず劣らず)、会場となった目黒雅叙園の「百段階段」と言われる昭和10年に作られた木造建築と、その階段廊下の右手にある7つのお部屋が本当に素晴らしかったのです。
部屋や階段の天井や欄間の絵、また漆喰でできた人形が本当に素敵でした。会場内は写真撮影禁止なのでパンフだけの写真を一部↓載せてます。
こちらでお部屋の写真が観られます→http://www.megurogajoen.co.jp/event/hinamaturi/100dan.html
またこちら↓はDVDで売られている「百段階段」のプロモーションVTRですが「百段階段」のその一部が垣間見れます。
「百段階段」へ行くエレベーターも螺鈿でできたもので贅沢極まりなく、こんなエレベーターに乗ったのは初めてでした。ここでは時々いろんなイベントをしているので会場を観にいくだけでも楽しいと思いました。ちなみに次回は片岡鶴太郎の個展らしいのですが、会場を観るだけでも価値ありです。機会あれば1度足を運ぶことをお勧めします。