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終わらない週末 欲望の系譜 アメリカ流転の1950-2010s おまもり [本]

最近読んでた本です。

終わらない週末

終わらない週末

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2022/08/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

本好きなアメリカのオバマ元大統領が大絶賛した本。しかもジュリア・ロバーツ主演のNetFlixの映像化はオバマ夫妻も制作に携わっていると言う。話題にもなっていたので読んでみました。

家族4人が別荘で過ごしているとき、別荘の持ち主だと名乗る黒人夫婦が訪ねて来る。ニューヨークで大停電が起きたのだと言う。ネットも電話も繋がらない、テレビも映らない…。大爆発が起こり、鹿もフラミンゴも大移動を始め、外で遊んできた息子は熱を出し、家の中にいたと思っていた娘はいなくなる。近くの家に情報を仕入れに行く夫は迷子になりグーグルマップも使えずに何とか戻って来る。スペイン語で何やら助けを求めている女性もスマホの翻訳機能が使えないために何を言っているのかわからず。彼女をそのまま残してきて恐怖からそのことを誰にも言わない。息子を医者に連れて行く途中で黒人の知り合いの家に寄り情報を収集。でも何もわからない。情報がシャットダウンされ、漠然とした不安の中にいる人々…。

終わらない週末とは終わらない終末。週末と終末がかけてある。危険真っただ中にいるわけでなくその周辺にいるのだけれど、何せ情報がないのでどうしたらいいのか?身動きが取れないその怖さを描いていました。小説では結局何が起こったのかがはっきりしなかった。でも終末を迎えると言うのはこういうこともありうるのだと。むしろその確率の方が大きいかと思いました。スマホ一つ繋がらないだけでどれほど不安になるか、情報がどれほど大切なものなのか、決して絵空事でもないなあと怖くなりました。

世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70-90s「超大国」の憂鬱 (単行本)

世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70-90s「超大国」の憂鬱 (単行本)

  • 作者: 丸山 俊一+NHK「世界サブカルチャー史」制作班
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2022/06/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
アメリカ 流転の1950-2010s 映画から読む超大国の欲望

アメリカ 流転の1950-2010s 映画から読む超大国の欲望

  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2023/05/31
  • メディア: Kindle版

Eテレでやっている「世界サブカルチャー史」から生まれた本2冊。Eテレを観てて面白かったので本も読んでみました。基本テレビでやってたことと変わらないことが本にまとめてあり、でも主にその時代を表現している映画も本には細かく紹介しているので、これを参考に紹介されていて観ていない映画を観てみるのも悪くないと思いました。歴史家で大学教授のブルース・シュルマンと作家でラジオ・パーソナリティのカート・アンダーセンがその時代を切り取り的確なコメントを残しています。

幻想の1970年代~若者たちの反抗と保守派の反動、ノスタルジアに覆われた社会、移民と女性たちの権利、幻想のアメリカ、敗北、恐怖、希望。葛藤の1980年代~レガノミックス。「男らしさ」と伝統を取り戻せ。保守反動の社会に生きるマイノリティ。ウォール街を目指した若者たち。喪失の1990年代~ポスト冷戦の世界。ジェネレーションXたちの持つ不満と不安。情報社会がもたらしたもの。アメリカの歴史の終わり。これらが世界サブカルチャー史の目次。

理想の50年代~真昼の決闘、宇宙戦争、ボディ・スナッチャー 恐怖の街、赤い河、ローマの休日、紳士は金髪がお好き、暴力教室、裏窓、理由なき反抗、お熱いのがお好き、七年目の浮気、ビートジェネレーション。闘争の60年代~アラバマ物語、サイコ、アラモ、ティファニーで朝食を、ウエスト・サイド物語、博士の異常な愛情、サウンド・オブ・ミュージック、俺たちに明日はない、卒業、猿の惑星、真夜中のカーボーイ。幻想の70年代~イージー・ライダー、アメリカン・グラフィティ、ゴッドファーザー、ジョーズ、未知との遭遇、ディア・ハンター、ロッキー、サタディ・ナイト・フィーバー、クレイマー・クレイマー、タクシー・ドライバー、地獄の黙示録、スター・ウォーズ。葛藤の80年代~ブルース・ブラザーズ、普通の人々、愛と青春の旅立ち、フラッシュダンス、トップガン、プラトゥーン、ランボー、バック・トゥー・ザ・フューチャー、スタンド・バイ・ミー、摩天楼はバラ色に、ウォール街、タッカー、シーズ・ゴッタ・ハブ・イット、ドゥ・ザ・ライト・シング、ビバリーヒルズ・コップ、天使にラブソングを、遠い夜明け。喪失の90年代~心の旅、ゴースト ニューヨークの幻、マルコムX、許されざる者、ジュラシック・パーク、フォレスト・ガンプ 一期一会、リアリティ・バイツ、パルプ・フィクション、ミッション:インポシブル、アメリカン・ビューティ、マトリックス、トゥルーマン・ショー、キャスト・アウェイ。不信の2000年代~ブラックホークダウン、ハンニバル、ボーン・アイデンティティー、ボーン・スプレマシー、ボーン・アルティメイタム、ミリオンダラー・ベイビー、父親たちの星条旗、硫黄島からの手紙、コラテラル、ブロークバック・マウンテン、ジャーヘッド、ユナイテッド93、クローバーフィールド、ノーカントリー、ウォッチメン。分断の2010年代~ソーシャル・ネットワーク、ウルフ・オブ・ウォールストリート、華麗なるギャツビー、アビエイター、J・エドガー、マネーショート 華麗なる大逆転、ダラスダイヤーズクラブ、ワイルドスピードEURO MISSION、アメリカン・スナイパー、マッドマックス 怒りのデスロード、ムーンライト、ゲット・アウト、ブレードランナー2049、パターソン、ジョーカー、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド、パラサイト 半地下の家族。これらが「アメリカ流転の1950ー2010s」に出てくる映画。ほかにも時代を映すドラマ(アイ・ラブ・ルーシー、24、チャーリーズエンジェル)や音楽(ボーン・イン・ザ・USA、マテリアルガール)などが紹介されていました。

アメリカ映画が世界中で上映され、映画がアメリカを宣伝しているようなものだと世界旅行していた時につくづく思いましたが、コカ・コーラもまたアメリカを宣伝していると思いました。コカ・コーラが入っていない国はないというくらい世界中に入り込んでいる。このことがこの本でも指摘され、私も同じことを当時感じてたなあと思い出しました。何だかんだと言ってもアメリカ凄いねとこの本を読んで思いました。アメリカなしに世界を語ることができないのですから。映画やドラマや歌などがアメリカ史と人々の欲望と共にリンクしていて、それが的確に表現されているのがとても面白いと思いました。

おまもり (幻冬舎文庫 き 3-26)

おまもり (幻冬舎文庫 き 3-26)

  • 作者: 銀色 夏生
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2024/01/12
  • メディア: 文庫

銀色夏生の本。写真と一言が添えてあり、あっという間に読み終える。というより見終える。読むと言うより写真を眺める感じの本かな。場所、風景、持っているものなどで銀色さんの好きを集めたミニ写真集。それに言葉が添えてある。「しょせんなるようにしかならない。そう思えれば心は軽い」「~とてもつらいことがあったとき、3か月だけ待ってみようと思える。~『3か月に助けられた』とたくさんの人から言われた。大きいことは3カ月、小さいことは30分、時が過ぎるのを待とう」時々これらの言葉に相槌を打ってる自分がいた。でも大きなことは半年とか1年かもと思った。そして小さなことは3時間くらいか、と思う。

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2024-03-09 09:34) 

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