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蜩ノ記 [日本映画 賞受賞]

一ツ橋ホールで「蜩ノ記」を観てきました。

スポンサーがとんかつの和幸でひれかつサンドと飲み物も頂いてきました。

蜩ノ記の場面カット

映画公式サイト:http://higurashinoki.jp/

直木賞を受賞した葉室麟の小説を映画化。

藩主の側室(寺島しのぶ)と不義密通をしたと疑いをかけられた奉行の秋谷(役所広司)は10年後には切腹せよと命じられ幽閉されている。そこへ庄三郎(岡田准一)が遣わされ監視役となるも、秋谷と秋谷の家族(妻=原田美枝子、長女=堀北真紀、長男)と共に暮らすうち、秋谷が事件を起こしたとは思えなくなり、事件の真相を探り始める。そして真実は不義密通などないことがわかり、秋山が淡々と毎日編纂していた家譜の謎を探ると当時側室と争っていた藩主の正妻の出生こそが実は血筋を偽っていて商人の娘を正妻に仕立てたという事実が浮き彫りになり、それは家老も一枚かんでいることがわかった。そのため家老は、切腹を取り消すこととその正室の血筋の書いた文書を交換条件にするのだが、後世に残すものは真実のみという信念や藩主に忠義を誓っていることから、秋谷はこの条件を飲まずにそのまま切腹へと向かう・・・。

四季折々の山里の風景。日本の美。それらが映画のところどころに映され、とっても美しかったです。そして一対一で心情を述べるシーンも多く、シーンと静まり返った音のない世界やいい意味での間があり、心が洗い流されるような清らかな映画でした。登場人物たちの背筋のシャキッと伸びるような暮らしぶりが観てるこちらを正し、物の通りを通す秋谷や庄三郎、秋谷の息子の友人らの姿勢が、とても心に沁みました。非情で理不尽なことがまかり通る中でも、誰にも後ろ指刺されない正々堂々とした生き方は胸を打ちます。最後には淡々と身支度を整えて、家族に別れをし、迎えの者に従って切腹するために家を出る秋谷を観ていて、涙が止まりませんでした。とにかく佇まいが美しくて、自分もこうありたいなと思いました。

この映画は黒沢映画で助監督を務めた小泉尭史監督の作品で、ヴェネチア国際映画祭でこの監督の初監督した「雨あがる」が緑の獅子賞を獲得しているとかで、この「雨あがる」も観てみたいなあと思いました。


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naonao

>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。
by naonao (2014-10-07 00:21) 

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