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ショートターム [アメリカ映画 賞受賞]

ニッショーホールで「ショートターム」を観てきました。

映画公式サイト:http://shortterm12.jp/

ショート・タームのポスター
この日、この映画の監督、ディスティン・クレットン監督が来日してるとのことで急遽、舞台挨拶がありました。写真も自由に撮っていい、というので写真も撮ってみましたが、私の席からはかなり離れていたので顔が全く映りませんでした。また監督自身もTシャツにジーンズのかなりラフな格好でラフな雰囲気。新人監督だと写真も自由に撮っていいだなんてガードもかなりゆるいんだなあと感じました。
この映画は世界の30の映画賞を受賞し、50の映画賞にノミネートされ、アメリカレビューサイト・ロッテントマトで満足度99%の映画。その上この監督の次回作はジェニファー・ローレンス主演の映画を撮るとの触れ込みです。映画が始まる前から期待大の映画でした。
親から虐待やネグレクト、いじめなどを経験したティーンネージャーをケアする施設、ショートタームが舞台です。突然、朝からダッシュで施設を抜け出そうとする男の子、小さな人形がいなくなってガッカリして誰とも口を利かずベッドの上でうずくまっている男の子、18歳になったので施設を出なければならずイライラし攻撃的になりドラッグを隠し持ちガラスで自分を切る男の子、父親に虐待を受けていながら一方で父の愛に飢え自傷行為に走る女の子・・・。そういった子供たちをケアする職員のグレイス(ブリー・ラーソン)とその同僚で恋人のメイソン(ジョン・ギャラッガーJr.)は、二人の間に子供ができ、何の問題もなく幸せになるのかと思えたのですが、グレイスは恋人にも言えない心の闇を抱え、子供を堕ろそうとまで思います。職員のグレイスもまた自分の父に虐待を受け、父の子を妊娠するという過酷な過去を持ち、父が刑務所から仮出所する日が近いためイライラしているのです。彼女はジェイデンという父の虐待を受け自傷行為を行う女の子と関わることで自分の過去をダブらせ、初めて女の子に自分の胸の内を語ります。恋人のメイソンもまた両親を亡くしていて、血の繋がりのないラテンの両親に育てられていたことが、映画の後半にわかります・・・・。
ケアされる子供だけでなく職員もまたつらい過去を持ち、だからこそその苦しみがわかり、子供にとことんつきあいケアするその毎日の様子が描かれています。施設内は戦場で、何が起こるか油断を許しません。それだけに毎日が真剣勝負で大変な日々。こんな施設に働く人たちにまず頭が下がります。
男の子の脱走から始まった映画が、男の子の脱走で終わる映画でした。必死になって生きる子供たちと職員の大人たちの日常が淡々と描かれ、その日常はまだ続いているという映画でした。テーマがとても重たいのですが、人と人が繋がることで生きにくくても何とか生きていける、打開の道はある、というメッセージをもらったような映画でした。インディーズ映画といえども本当に素晴らしく、たくさんの映画賞を獲り、レビューで高得点をつけてるのがわかりました。また、昔「少年A」というイギリスのインディーズ映画を観ましたが(刑務所から出てきた男の子が娑婆で必死になって生きようとする映画です)、その映画も素晴らしかったことを思い出しました。こういう映画を観ると、自分も一生懸命生きないといけないなあと思います。

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naonao

>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。


by naonao (2014-11-15 21:33) 

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