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イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 [Benedict Cumberbatchカンバー]

「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」を観ました。

ベネディクト・カンバーバッチ主演映画。アカデミー賞では脚本賞のみ受賞しましたが、作品賞、主演男優賞ほか8部門でノミネートされた映画です。

天才数学者アラン・チューニングが第2次世界大戦でドイツ軍の秘密の暗号エニグマを解読するも、ソ連のスパイ容疑を途中でかけられ、また最後はホモセクシャルであることから2年刑務所送りの代わりにホルモン治療などを行い、最後は自殺をしてしまうという半生を描いています。

評判通りに素晴らしい映画でした。しかし彼の人生そのものは切なくそして最後は泣けました。暗号を読み解くと言うことは大変な功績であるにも関わらず、国家機密として戦後50年もの間秘密とされ、その功績は全く讃えられることもされませんでした。戦争が終わるとすぐその研究書類は自らの手で焼いて灰にされました。また彼はホモセクシャルであったのですが、それは当時犯罪であり、全く理解されない時代でした。彼が今の時代に生まれたならばもう少し幸せだったろうなと、映画を観ていて胸が詰まりました。彼の暗号読解という功績のお蔭で第2次世界大戦は2年も早く終結できたと言われています。また今コンピューターとしてある原型のようなものを作ったのも彼だったようです。

カンバーバッチの演技力が光っていたし、同僚として働き途中アランと結婚しそして離婚してしまったジョアン役のキーラ・ナイトレーの演技も良かったです。キーラ・ナイトレーの映画も結構観てるのですが、こんなに彼女の演技がうまいと思ったことはありませんでした。

この映画はアラン・チューニングという一人の天才数学者の映画ではありますが、戦争の時代を描いていることもあり、戦争のむごさも描かれています。暗号をせっかく解読したのに、その暗号解読のことをすぐにイギリス軍に知らせてしまうと、イギリス軍がすぐさま行動を変更しドイツ軍に暗号を見破られたのではないかと感づかれ暗号を変えられてしまうと考えたことで、一部の上層部のみの秘密とされました。暗号解読でわかった情報では、船が挟み撃ちに遭うことが分かったもののそれをすぐには阻止せず、その船の乗船者たちは見殺しにされたわけです。そしてその船にはアランたちと一緒に暗号解読していた仲間の兄弟が乗っており、彼がどんなに請うても、見て見ぬふりをしなければなりませんでした。今年は戦後70年で戦争映画がたくさん作られましたが、この映画も戦争を考えるときに観て損はない映画だと思います。

またアラン・チューニングという人は、ソ連のスパイ容疑をかけられることで仕事場も自宅も家宅捜索でメチャクチャにされ、結婚して落ち着いた生活が送れると思ったのもつかの間、自分のせいで妻にまでも危害が及ぶと考え、わざと妻に向かって離婚を切り出します。それがとっても切なかった。たぶんソ連のスパイではないけれど、ホモセクシャルだからいつかバレタときにやはり良くないと考えて離婚したのかもしれません。愛する妻のためを思って自分が身を引くその姿にはやはりジーンときます。

映画の中で何度か言われる「変わっている人が不可能だと思われてることを可能にする」とまさしく思ったし、今あるこの自由はたくさんの先人の犠牲に基づいて成り立っているんだなあと改めて考えさせられもしました。


 おまけ:

一か月もブログの更新をせずにお休みしていました。

それはちょっとブログに書いたりしてましたが、原因不明の歯の痛みで、歯医者を転々と変え、そのうち耳が突発的に聞こえなくなり(突発性難聴)耳が治ったら、目の奥や頬、耳まで痛くなり、微熱まで出てきて、そうこうするうち食欲まで落ち、のどがつかえ胸もつかえてみぞおちまで痛くなって、歯医者や耳鼻科だけでなく、内科やら消化器内科にまで転々としていたからです。最終的には歯は大学病院(慶応病院)の口腔歯科で診てもらい、歯の痛みは虫歯治療などしていたため歯のかみ合わせもおかしくなって余計な筋肉がこって、肩こりのようなものが顔の側面に起き、口腔顔面痛(筋筋膜痛)らしいことがわかりました。顔の側面を押していくと、痛いポイントがあり、そこを痛くても押してマッサージするよう(朝起きたときとお風呂に入ったとき、また暇があれば押すよう)に指導されたのです。かみしめの癖もあるらしく、ガムは噛んではいけないと言われました。半信半疑で今はそのマッサージをしています。

微熱(36.9度)が出てたのはどうやらストレスだったよう。36.3度の平熱の私が36.9度というのは結構堪えるものがあるのですが、病院に行っても「それは熱ではありません」と一蹴されてしまい、それでも何の熱か突き止めたくて困ってました。目や頬、耳まで痛くなり熱まで出たのは、歯の菌が回ってそうなったと思っていたので血液検査で白血球やCRP値が正常だったのはとっても安心しましたが、アミラーゼ値がやたら高かったので、次は唾液腺とか耳下腺炎の疑いを持ちました。しかし大学病院ではMRIやCT,レントゲンを見てその可能性を否定し、「熱は何か別のものです」という判断でした。それで今度はアミラーゼ値から膵臓(膵炎)を疑い、エコーまで撮ってもらう騒ぎとなりました。でも結果的には何も異状なし…。

いろいろ自分で調べていたら熱がストレスから来ていることがわかりました。食欲不振やむかつきやみぞおちが痛くなったのもすべて、今ではストレスから来ていたとわかります。すべて異常なし、歯の菌が回っているわけでないこともはっきりし、膵臓も大丈夫とわかったときにはスッーと熱も下がっていきました。

歯の痛みひとつから次々といろんなところに病気が波及する怖さを今回は体験しました。ストレスって本当に怖いと思いました。またそれぞれの場所で一生懸命治療に当たってくれているドクターたちの献身的な姿にも心打たれました。すごく頭が下がり、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、普通に仕事をして普通に生活できることの幸せを再確認しました。医者から医者へと行っている間は、好きな映画やドラマも観る心の余裕は全くありません。本だって読めないし新聞だって読めない。テレビをつけていてもいつもうわの空でした。本当にひとつひとつのことに幸せが詰まっていて、それに感謝しないといけないと思いました。

歯の痛みが始まる1か月前くらいに、仕事が立て込み、仕事から要求されることが多すぎて疲れ切っており、ちょっと燃え尽き症候群のような状態になっていました。そこからしばらくして歯の痛みが始まり、歯の痛みの原因がどこに行ってもわからずにズルズル来てそれがストレスの原因になっていました。また毎日読んでる「伊勢ー白山道」さんのブログで、いよいよ富士山爆発やら東京直下型の地震の予言めいたブログ記事を読んでいて、気分がひどく落ち込んでしまったのはとっても影響力が大きかったと思います。毎日読んでいるものは影響力大だし、それをそのままに取りすぎてもいけないなあと反省してます。

病は気からというのは本当だったし、気分一つで病も良くなれば悪くもなる。今回はまたいろいろ感じることがあり、勉強になりました。人は病気したり、不幸なことが降りかからないと、日常のささやかな幸せをも全く感ずることなく、そして感謝することなく生きてしまうので、時には特効薬として人生には必要なんだなあと思います。ちょっと考え方がおかしくなったり、感謝が足りなかったりすれば、神様の一撃が待っていると思いました。でも本当、救われて(歯の原因がわかって)良かったです。

以下、参考になった本↓。私のような症状の人が世の中にはたくさんいることを知りました。ただの歯痛と侮ることなかれ。歯の痛みの原因がただのコリと知るまでに、ほとんどの歯を抜いてしまった人もたくさんいるようです。トリガーポイントがあって、そこが関連して痛みを発しています。マッサージで良くなります。



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コメント 2

miffy

大きな病気でなくて良かったですね。
歯の痛みはいろんなものが原因になっていること多いですね。
東京だといろいろな専門の先生がいるので自分に合ったお医者さんを見つけられますが、地方ではまだまだ難しいです。
by miffy (2015-10-04 19:16) 

naonao

>nice!をいただき、ありがとうございました。

>miffyさん、ありがとうございます。
miffyさんの指摘で初めて気づかされましたが、東京は大学病院などもあって専門の先生がたくさんいるから本当に恵まれているんですね。そういうことにも感謝しないといけませんね。ただ単に健康で生きていかれるだけで、感謝感謝だと思いました。
by naonao (2015-10-11 17:52) 

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