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奇皇后 [チ・チャンウクJiChag-wook池昌旭]

韓国ドラマ「奇皇后」(Empress Ki)を観ました。


コンパクトセレクション 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- DVD-BOX I

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コンパクトセレクション 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- DVD-BOX II

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コンパクトセレクション 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- DVD-BOX III

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コンパクトセレクション 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- DVD-BOX IV

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コンパクトセレクション 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- DVD-BOX V

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2013年~2014年の作品。たくさんの賞を総なめ。IMDb評価も8・5と高く、51話もある大作です。韓国ドラマは16話とか20話が普通なので、こんな長いドラマを観切れるだろうかと初めから心配でしたが杞憂に終わりました。

チ・チャンウクくん、ハ・ジォンさんが出ているので楽しく観れたこともありますが、ストーリー展開が素晴らしく、次から次へと話が進み、先が気になり夢中になってあっという間に観てしまいました。面白くて面白くて。実存した謎の多い奇皇后を主役にしたフィクションで、高麗の貢女から元の皇后へまで昇りつめたその半生を描きます。


貢女として高麗から元へと行く途中、高麗の若き皇子に助けられ逃げ出すことができたヤンイ(ハ・ジォン)。その時は母が殺され、それ以降、男として武術を学び生きていくことを決意。ヤンイから名前をスンニャンと変えて、頭角を現し、高麗の王ワン・ユ(チュ・ジンモ)と出会います。その後ワン・ユの下で働くことになったスンニャンは、元の皇子タファン(チ・チャンウク)が高麗にやってくるため、タファンの護衛を任されますが、タファンは元の丞相ヨンチョル(チョン・グクファン)の命令の下、元側からも命を狙われ、高麗の一部の輩からも命を狙われます。それを阻止しようとするスンニャンやワン・ユ…。


高麗の王ワン・ユからも、また元の皇子(のち皇帝)タファンからも愛されるスンニャン。スンニャンは女であることを隠して生きてきましたが、後に知られてしまい、元の名前ヤンイを使います。ワン・ユとは相思相愛でしたが、すれ違いから、彼と一緒になることを断念し、自分の道を進む決心をします。父や母、同郷の人たちの無念の死に対して復讐することを誓い、元の皇帝タファンの敵でもあり、自分の敵でもあるヨンチョル一族を滅ぼすことを胸に、タファンの側室になり、タファンをヨンチョルの操り人形から立派な皇帝にさせるために奔走し、ヨンチョル一族をも知恵を使って見事滅ぼします。しかしその後今度は今まで味方だった皇太后やぺガンが敵になり、自分が側室から皇后へなることに反対されます…。


元の皇子タファンがスンニャンを慕って「スンニャン、スンニャン」と呼び、側室になってからは「ヤンイ、ヤンイ」と呼ぶその声がいつまでも耳に残っています。タファンはスンニャン=ヤンイが好きで好きでたまらなく、初めは相手にしていなかったスンニャンですが、徐々にタファンに気持ちも傾いていきます。タファンのわがままで、情けなくて、ダメダメな皇子ぶりがおかしくて、タファンとスンニャンの二人のコンビのシーンが笑いを誘い、10話くらいまではラブコメ感覚で楽しめました。しかし、徐々にタファンの表情もスンニャンの表情もどんどん険しくなり、難題が解決しては次から次へとまた難題が降りかかり、お互いの信頼関係も崩れそうになります。全編通してほとんど政治闘争、権力争い、相手を呪っての殺し合いですが、タファンとスンニャンの二人のシーン、また時にワン・ユとスンニャンの二人のシーンが愛情、恋愛シーンなのでそこで少しホッとして観ることができました。


特筆すべきは、たくさんのよく描かれている登場人物たちでした。皆個性豊かで素晴らしい演技力でした。スンニャンが皇后になる前に、タファンの最初の皇后のタナシルリ(ペク・ジニ)と後の皇后のバヤンフト(イム・ジュウン)。二人の皇后の残忍さ、毒の強さがすさまじかったです。そのお付きのヨンファ(ユン・アジョン)やソ尚宮(ソ・イスク)も皇后と共に残忍さを要求されるのでちょっと可愛そうでした。また皇太后(キム・ソヒョン)が初めはスンニャンを良しとし彼女を歓迎していたのに、途中からいきなり高麗出身の彼女をさげすみ、煙たがるようになり、挙げ句は彼女やタファン、その子供まで殺そうとしたりとその激しい変貌ぶりに閉口しました。そして徹頭徹尾スンニャンを愛し、彼女を陰で支えいつでも応援していた高麗の王ワン・ユが本当に格好良かったです。絵に描いたような好人物でした。自分のことより他を優先させる人柄で。他に格好良かったのはタルタル(チン・イハン)。スンニャンの師匠でもあり、ぺガンの甥でもありましたが、文武両道で知恵もあり、バランス感覚が良くいつも最適な答えを出せる人物でした。ヨンチョルの蓄財した資産の在処を子供たちの歌から謎解きできたのも、タルタルとスンニャンだけでした。また女だてらに突厥(チュルク)の武将で後のメバク商団にも関わるヨンビス(ユ・イニョン)が高麗の王ワン・ユに恋心を抱き、亡くなってしまうシーンは印象的でした。そして女性の園の支配人トクマン(イ・ウォンジョン)がスンニャンをいつもサポートし心強い味方であったのは、安心して観ていられました。

タファンに代わって権力を握ろうとしている憎々しいヨンチョルやその長男タンギセ(キム・ジョンヒョン)、ヨンチョル亡きあと同じようにスンニャンを排除しようとしたぺガン(キム・ヨンホ)、高麗出身でスンニャンと同じ巡軍万戸府にいたのにスンニャンを殺そうとするヨム・ビョンス(チョン・ウンイン)、タファンに仕える宦官のコルタ(チョ・ジェユン)が後のメバク商団の頭首でタファンに毒を盛り、タファンを死に追いやったのには本当にびっくりしました。

スンニャンとワン・ユの子供が亡くなったと思っていたのに、タナシルリが寺で拾われた子供を自分の子供として育てたマヤ皇子こそがその二人の子供であるという話の展開もすごかったです。マヤ皇子は後に亡くなってしまいますが、スンニャンやワン・ユ、果てはタファンにまでその秘密が知られてしまい、タファンがワン・ユを殺す原因になったのも気の毒でした。タファンはいつもいつもスンニャンが大好きで、時に裏切られたのではないかと感じても彼女を愛し続ける姿がいじらしかったです。タファン演じるチ・チャンウクくんの美しさにいつも酔って観ていましたが、能天気でわがままでスンニャン大好きなタファンの一面のほかに、ヨンチョルに常に怯え、ヨンチョル亡きあとも襲ってくる皇帝タファンの孤独、不安、酒を飲まずにはいられずどんどん狂っていく姿に彼の演技力の幅を感じました。「プロデューサー」のキム・スヒョンくんの酔った演技を高く評価したことがありましたが、チ・チャンウクくんの酔いの演技も負けず劣らず素晴らしかった。涙をいっぱい溜めて目で打ったえる演技も素晴らしかった。また主役のスンニャン演じるハ・ジォンさんも凛々しくて、格好良くて、美しくて、ドラマが進むにつれてどんどん眼光鋭くなるのがすごかったです。アクションや立ち回りの上にこんな演技もできるのですから脱帽です。案の定、チ・チャンウクくんも、ハ・ジォンさんも、またワン・ユを演じたチュ・ジンモさんもそれぞれこの年の演技賞を受賞していました。


このドラマは剣や矢で争うシーンが多くたくさんの人が血を流し、命が奪われるシーンが多くあるので気分的には晴れませんが、ストーリー展開の面白さ、脚本の良さ、衣装、調度品などの素晴らしさ、役者さんたちの演技力の高さなど、ドラマとしての完成度が高く見ごたえありました。また「THE K2」に出てた武道の師匠が元高麗の村長(ソン・ギョンチョル)、「ヒーラー」に出てたヒーラーの師匠がメバクの商人の頭フクス(オ・グァンノク)、また同じ「ヒーラー」に出てたヒーラーに最初の依頼人が高麗王の家来パン・シヌ(イ・ムンシク)であったのは、お馴染の顔でやはり可笑しくなりました。


そしてこの時代のことを少し勉強して後からまた観直せたらもっと面白いかもなあと思いました。宮殿の中にストゥーパがあり、チベタンの美しいタルチョがなびいていたり、イル汗国が今のインド北部とチベット辺りを指し、当時高麗国が鉱石を取引していたり、元がイル汗国まで遠征し戦い負けてしまったり、孫子の兵法の話(アンディ・ラウ主演の映画「墨攻」を思い出しました)など気になることがたくさんありました。

長いけれど面白いので夢中になれます。お勧めです。naonaoお勧め度★★★★★

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naonao

>niceをいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2020-10-18 09:49) 

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