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ドライブ・マイ・カー [日本映画 賞受賞]

日本映画「ドライブ・マイ・カー」を観ました。

ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [DVD]

ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2022/02/18
  • メディア: DVD

2021年の作品。IMDb評価は7・9。村上春樹の短編集「女のいない男たち」の中からの「ドライブ・マイ・カー」が原作。カンヌ国際映画賞の脚本賞受賞、ゴールデングローブ賞の外国語映画賞受賞など多数受賞しており、今度のアカデミー賞でも期待のかかっている作品なので観ました。物語が坦々と進む中、所々に村上春樹特有の言い回しのようなセリフもあり、原作は本当に短いのに映画が3時間もありましたが飽きずに観ることができました。舞台で演じられるチェーホフの「ワーニャ叔父さん」のセリフが主人公の気持ちと重なる部分があり、それがかなり絶妙でした。

演出家で舞台俳優である家福(西島秀俊)はある日突然妻の音(霧島れいか)を亡くします。2年後広島で行われた演劇祭で出会った専属ドライバーみさき(三浦透子)と出会うことで、家福は妻の不倫を見て見ぬふりをしていた自分の過ちと悲しみに気づき、みさきもまた地すべりした家の中に母がいるのを知っていながら助けなかった罪を口にします…。

舞台俳優たちがアジア出身の人たちで、使われている言語も日本語、英語、韓国語、中国語が飛び交い、セリフもそれぞれの国の言葉が使われ手話をする俳優まで起用しているので、映画の中の舞台自体もかなり独特でした。チェーホフの「ワーニャ叔父さん」のセリフが舞台稽古でも本番の舞台でも家福が乗る車の中でも流れ、そのセリフが家福の心情や実情を語りシンクロしているのが素晴らしかったです。西島秀俊さんの演技も岡田将生くんの演技も素晴らしく、特に岡田将生くんの車の中での長いセリフが何とも良かった。岡田くんは舞台俳優で家福の妻の不倫相手でもあり、暴力事件を起こして警察に捕まり主演を降板する役どころでした。久々に岡田くんの演技を観て、何だか頼もしくますます素敵になった!と思いました。

村上春樹の「女のいない男たち」はもちろん読んでいて「ドライブ・マイ・カー」も読んでおり、このブログにも備忘録代わりに書いてます。でも短編集はあまり記憶に残っていず自分のブログを読んで再確認しました。記録に残すことはやはり大切だと思いました。また「女のいない男たち」に入っている「シェエラザード」の話。前世がヤツメウナギである少女が、好きな男の子の家に何度も忍び込み、自分のものを置いてきて彼のものを頂いてくるという話なのですが、この話もこの映画の中に組み込まれ妻の音が作った話として紹介されました。このヤツメウナギの話どこかで聞いたことがあるなあと思ってたら同じ短編集の中の話でもあったというわけ。色々読んでもどんどん忘れていってます。

「傷つくべきときに傷つくべきだった」「生きてるものは死んだ者のことをずっとこれからも考え続けて生きていかねばならない」まさに村上春樹ワールドの言葉で、印象的なセリフでした。本で読むと違和感なく読める作品でも映画化となるとちょっとゴツゴツあちこちに当たるような違和感を感じました。ちょっと堅かったり唐突だったり自然でなかったり、そんな感じのシーンが…。それでも村上春樹ワールドをうまく映像化されているのだと思います。村上春樹のファンで、西島秀俊さんも好きだし、岡田将生くんも好き、ましてゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞とあっては素通りすることはできず。観れて良かったです。これから控えているアカデミー賞を韓国に続いて今度は日本が受賞してほしいものです。ところでチェーホフの「ワーニャ叔父さん」、一度読んでみようかなと思いました。こうしてまた世界がどんどん拡がっていくのが楽しいです。

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2022-01-24 11:39) 

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