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良くも、悪くも、だって母親 [韓国ドラマ]

韓国ドラマ「良くも、悪くも、だって母親」(The Good Bad Mother)を観ました。

良くも、悪くも、だって母親

(Netflixで配信中)

2023年の作品。IMDb評価は8.4。ヒーリングコメディ。イ・ドヒョン主演で評価高いので観ました。ヒーリングコメディではありますが、他にもサスペンス、ロマンス、ヒューマンドラマと言った感じでたくさんの要素が入り交じり、笑わせ泣かせハラハラドキドキさせと感情が忙しく夢中になって観れるドラマでした。1,2話はサスペンス強めであとは毎回ホロリとして泣かされてました。

夫が事故で亡くなり女手一つで息子ガンホ(イ・ドヒョン)を育てなければならなくなった母親(ラ・ミラン)。養豚場を営みながら必死になって子育てする。そのお陰でガンホはソウルで検事となるが、父親殺しの犯人を突き止めるためガンホはウビョクグループの会長ウビョク(チェ・ムソン)の養子に入り、次期大統領候補であるオ・テス(チョン・ウンイン)の娘ハヨン(ホン・ビラ)に近づき婚約までこぎつける。養子縁組の許可を母親からもらうためガンホはハヨンを連れて母の元へ一時戻るもソウルへ帰る途中、事故に遭い手足が効かなくなり記憶を失くし7歳くらいの知能になってしまうのでした…。

田舎の人々ののんびりした感じがドラマ「海街チャチャチャ」を思い出させ、またサスペンスフルでシリアスな内容なのに結構軽くコミカルに描く感じがドラマ「ヴィンチェンツォ」を思い出させました。結構怖いことやってるのにジョークで吹き飛ばしてる感じ。でもそこがまた可笑しかったのですが。そして毎回泣けたのはドラマ「ハイバイ、ママ!」みたいでした。双子の子供が可愛くて結構ませたことを言うのも可笑して結構癒しでした。いつもフェイスパックをして全然顔がわからないヤクザの娘である村長の奥さんが、ちょっと毒舌を吐くのも可笑しかった。そして何といってもガンホの母親が愛情があるからこそ悪い母親を演じてガンホを育てていたことが、7歳の知能になった35歳のガンホを引き取ってまた育てていく中で色々わかって泣けました。

「お腹いっぱいになると眠くなる。眠くなると勉強ができなくなる。だからお腹いっぱいは食べてはいけない」とガンホがつぶやきます。この言葉は常日頃母がガンホに言っていた言葉でした。オリンピックのマラソンコースに入った養豚場の立ち退きを渋ったため養豚場を燃やされ、その悪事や周りの買収を調べていた夫が突如自殺するわけがないのに自殺と認定され裁判をしてもなにも埒が明かなかったことから、母親は子供に検事にさせることを目標にします。そのために勉強、勉強と勉強をガンホに強いていました。7歳になったガンホに食事をさせようとすると全然ガンホは口にしません。ガンホがつぶやいたこの言葉で母親はいかに自分がスパルタであったかを思い出し、ガンホをそこまで追い詰めていたのだとハッとします。またソウルへ行き息子が使っていた部屋を引き上げる時、息子が賄賂をもらい悪事を働いていたことを知り、勉強ばかりさせていて善悪を判断できない大人にさせてしまったと7歳の知能のガンホを泣きながら叱るのです。その一方「皆子供の時代に戻りたい。ガンホは戻れたのだから幸せ」「転ばないと別の世界が見えない。それは豚も人間も同じ」とガンホに声掛けし励まし、今回もまた悪い母親になる決心をし、心を鬼にして食事の手伝いを止め(そのためガンホは嫌でも手を動かさざるを得なくなる)、海に彼を放り入れて自分の足を使って立ち上がらせる練習をさせたりしながら彼が手足を不自由なく使えるようにし、その間少しずつ彼は昔の記憶を取り戻していくのです。

田舎の人たちの人情やその繋がりも楽しかった。田舎の人々のシーンはホッとさせ、笑わせ、泣かせといったシーンだけれど、都会の悪事を働くウ・ビョクやオ・テスのシーンはピリピリして絶えず緊張感が走り気が抜けない感じで、その対比とそのバランスがとっても良かったドラマでした。またミンジ(アン・ウンジン)とのロマンス。同じ日時に同じ屋根の下で生まれたガンホとミンジ。二人は恋仲でミンジがガンホの司法試験当日に怪我をしてガンホが試験を受けることができず、その後ガンホを支えて試験合格させたのがミンジ。しかしガンホはソウルに行くことでミンジと別れ、別れてからミンジには子供ができていたことがわかりミンジはガンホの将来を邪魔したくない一心で彼に子供のことは告げず双子を出産。しかし彼が事故で田舎に戻ると何も知らずその双子と仲良く遊んだりし、その後その双子が自分の子供だと知り、また記憶を失くしている中でもミンジが好きで母親がセットアップしたお見合いもおじゃんにして、最後はまた結ばれる感じでした。

始めはガンホがとんでもない大人になってしまったのかと思ったけれど、母やミンジとの縁を切ろうとしていたのは父親殺しの犯人を捕まえるまで被害が及ぶといけないといった判断からだとわかりホッとしました。父親殺しの犯人を捕まえた暁には母親の元へと戻りミンジのところにも戻ろうとしていたこともわかり、最終的には検事に戻り父親殺しのウビョクとオ・テスを捕まえ彼らの悪事の数々を公表することになり、また母親がガンで亡くなってしまう最後でしたがそれにも間に合ったのが何とも救いでした。母の誕生日を田舎の人たちと一緒に祝い、ミンジと一生仲良く過ごすように母に言われ、そしてその夜母が息を引き取ると手紙を発見してその手紙を読んで涙するガンホ…。

色々突っ込みどころはあったけれど、それでも良くできていた。脚本が秀逸だった。登場人物のキャラも良かった。そしてイ・ドヒョンはやはり演技力あるなあと思いました。「5月の青春」がメチャクチャ良かったけれど、このドラマもきっと彼の代表作になるでしょう。そしてラ・ミランの母親役がとっても良かった。パク・ソジュン主演の「魔女の恋愛」で可愛い人妻役の印象が強くそれがはまり役だったけれど、このドラマの母親役もはまり役。普遍的な母親の子供に対する思い、愛情がたくさん表現され見ごたえあるドラマでした。母の思いが泣けます。naonaoお勧め度★★★★★[王冠]

おまけ:ドラマで使われてたPaul KimのAbout You。OSTの中でこの曲が一番好きでした。映像は司法試験に受かる前のガンホとそれを応援するミンジ。


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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-07-09 19:10) 

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