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三国志~吉川英治著   [本]

中国ドラマ「三国志Secret of Three Kingdoms」「三国志Three Kingdoms」を観て以来「三国志」に嵌っている私。マンガも読んでるけど小説も読んでみました。吉川英治の「三国志」です。

三国志(一) 桃園の巻 (新潮文庫)

三国志(一) 桃園の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/01/28
  • メディア: 文庫
三国志(二) 群星の巻 (新潮文庫)

三国志(二) 群星の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/01/28
  • メディア: 文庫
三国志(三) 草莽の巻 (新潮文庫)

三国志(三) 草莽の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/02/28
  • メディア: 文庫
三国志(四) 臣道の巻 (新潮文庫)

三国志(四) 臣道の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/02/28
  • メディア: 文庫
三国志(五) 孔明の巻 (新潮文庫)

三国志(五) 孔明の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/03/28
  • メディア: 文庫
三国志(六) 赤壁の巻 (新潮文庫)

三国志(六) 赤壁の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/04/27
  • メディア: 文庫
三国志(七) 望蜀の巻 (新潮文庫)

三国志(七) 望蜀の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/05/27
  • メディア: 文庫
三国志(八) 図南の巻 (新潮文庫)

三国志(八) 図南の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/06/26
  • メディア: 文庫
三国志(九) 出師の巻 (新潮文庫)

三国志(九) 出師の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/07/27
  • メディア: 文庫
三国志(十) 五丈原の巻 (新潮文庫)

三国志(十) 五丈原の巻 (新潮文庫)

  • 作者: 吉川 英治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/08/28
  • メディア: 文庫

ドラマやマンガとは違って小説は小説でまた良かったです。「大判三国志」のマンガを描いた横山光輝氏も人形作家で「人形劇三国志」を担当した川本喜八郎氏も、もともとはこの吉川英治氏の書いた「三国志」に夢中になっています。「大判三国志」の巻末に読者からのファンレターが載せられていてそれも楽しく読んだのですが、一般のファンの人たちもほとんどが吉川英治氏の「三国志」から入って三国志を好きになっているようでした。「三国志」を語る上ではこの吉川英治氏の「三国志」は欠かせない気がしました。

ドラマ「三国志」では出てこなかったのですが、マンガの「大判三国志」で1,2回出たきりの芙蓉姫は一体劉備とのその仲やいかに?とずっと思っていたのですが、小説の中で側室の糜夫人が芙蓉姫だとわかりすっきりしました。色々観たり読むほど肉付けでき内容もよりわかるように思いました。小説では知らない登場人物がたくさん出て来てそのエピソードも豊富でした。その中でも衝撃的なエピソードで今までドラマでもマンガでも描かれていなかったものに、呂布に追われて小沛を出た劉備が、漁師の劉安という男の家に泊まらせてもらうと「狼の肉」と言って劉備に出された肉が本当は劉安の妻の肉だったというもの。余りにもショッキングな描写でびっくりしたけれど、これには思わず吉川英治氏も読者に向けて注意書きしてました。「日本の情愛や道徳では理解しにくいことであるが…原書では非常な美挙として扱っている」「そこに中古支那の道徳観や民情もうかがわれるし、彼我の相違を読み知ることも三国志の持つ一つの意義でもあるので、あえて原書のままにした」とのこと。些細なエピソードがドラマ、漫画、小説と微妙に知らないものが色々あって新しい発見をした思いです。また官渡の戦いで命を落とした袁紹ですが、その子供たち、袁譚、袁煕、袁尚が後継者争いを起こし、曹操も関わって袁家が滅びる結果となったことも載っていました。


小説はもちろん面白くて素晴らしかったのですが、巻末に三国志学会事務局長で大東文化大学の教授の渡邉義浩氏が書いている解説や三国志関連の豆知識みたいなものも面白かったです。諸葛孔明の子孫は今、浙江省南渓市諸葛村に住んでいるとのことで諸葛孔明の言葉「良い丞相になれなければ良い医者になれ」との言葉が残っていて、子孫たちには医者が多いとのこと。また成都の武侯祠のことも書かれてあり、中国旅行の時に訪れていたので懐かしくなりました。関羽が中国で最も愛されている登場人物で、そのため関羽は神となり祀られ清の雍正帝が関帝廟を「武廟」と呼び孔子の「文廟」と並立し国家の最高神として位置づけたとのこと。「「三国志演義」を完成させた毛宗崗は奸絶の曹操、智絶の諸葛亮、義絶の関羽を主役としているが、吉川英治は曹操と諸葛亮の二人を主役とする自らの「三国志」を書いた」と述べています。また吉川が「三国志演義」の単なるお人よしであった魯粛を周瑜にもまして高めたとのこと。魯粛の才が三国時代が作ったと言ってます。また卑弥呼の使者が新皇帝曹芳に謁見し新魏委王に封建されたことの意味は、卑弥呼が司馬懿の功績、徳を讃えて朝貢したと言う意味だと言う。曹芳と司馬懿と卑弥呼が同じ時代なのか、とその繋がりも面白い発見でした。

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2024-02-17 11:34) 

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