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ノマドランド [アメリカ映画 賞受賞]

アメリカ映画「ノマドランド」(Nomadland)を観ました。

ノマドランド [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

ノマドランド [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2022/04/13
  • メディア: Blu-ray

2021年の作品。IMDb評価は7・3。アカデミー賞作品賞、監督賞(クロエ・ジャオ)、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)受賞。ゴールデングローブ賞映画作品賞、監督賞受賞。ベネチア国際映画賞金獅子賞受賞など他多数。ジェシカ・ブルーダーのノンフェクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」が原作。

ネバダ州エンパイアで教師をしていたファーン(フランシス・マクドーマンド)。既に夫を亡くし工場閉鎖で町全体が無くなったため家を手放し、車一つで街から街へと転々としては仕事をするノマド(放浪者)となる。同じノマド仲間との交流、全米各地の大自然を満喫する様子が見ものでした。この交流や半分旅行気分が、バックパッカーで旅行していたころを思い出させました。

Amazonの荷物パッケージ、国立公園の清掃、ファーストフード店の作業、ビートの収穫、そしてまたAmazonへと戻っての仕事。その間に縁のある他のノマドたちとの交流があり、いろんな場所へと移動しながら観光し、大自然の中に身を置く生活。本当にノマドであるボブ・ウェルズやスワンキー、リンダ・メイも出演。自分の人生を語り、自分の人生を見つめ、悲しみや苦しみを共有する…。途中自家用車が壊れて姉のところにお金を借りに行って、「ここに住んだらどう?」と聞かれても断り、気の合う男性ノマドが子供の迎えで子供の家に戻ることになり、そのノマドのところに遊びに行くとまたもや「ここに一緒に住まないか?本当にどう?」との誘いも断り、そしてまた車でノマドの生活に戻る彼女の生き方が、これもありだなあと思いました。ノマド同士の会話は、バックパッカーの会話と同じ。特にインドあたりをふらふらしている人たちの会話と一緒。ヨーロッパ辺りを廻っている旅行者たちはみんな急いで旅行してるから深い話はできない。けれどインドやネパールなど物価の安く長居して時間のある旅行をしてる旅行者が多いところは深い話ができる。人生を深く考え、いいアドバイスももらい、とっても有意義だったなあと今でも思い出します。ゆっくり観光して大方終われば次の目的地へ。そしてまた違う旅行者と出会う。「またどこかの旅路で会いましょう」というのが合言葉というのもバックパッカーと似ているなあと思いました。彼らのようにずっとノマドはきついけれど(年取ってやってるのが凄いタフだと思いました)、やはりバックパッカーのような旅のスタイルはいいなあと思いました。ノマドのいいとこどりみたいな感じで。またバックパック一つで旅行がしたい。そう思える映画でした。naonaoお勧め度★★★★★[王冠]

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アロフト [カナダ映画]

カナダ、スペイン、フランス映画「アロフト」(Aloft)を観ました。

Aloft / [Blu-ray]

Aloft / [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Sony Pictures
  • 発売日: 2015/09/29
  • メディア: Blu-ray

2015年の作品。IMDb評価は5.3。ジェニファー・コネリー主演。母と息子の確執を描いています。ジェニファー・コネリーの確かな演技力とキリアン・マーフィーの目の青さがとても印象的な映画でした。

母親ナナ(ジェニファー・コネリー)は次男の病気を治すことに必死で、半信半疑ながらもあるヒーラーの集まりに子供を連れて参加。余りにも人気なのでくじ引きのように白い石を引いた人だけがヒーラーの施術を受けることができるようになっていて、ナナは白い石を引くことができず肩を落とす。長男アイヴァン(キリアン・マーフィー)は退屈で飼っている鷹を飛ばすと、ヒーリングで使う枝で作ったトンネルに鷹が引っかかってしまい、最終的には人里離れた平原で鷹を置いていかなければ、乗ってきた車にまた乗ることはできないと言われ、泣く泣く鷹を離すがスタッフが銃で鷹を撃ってしまう。ショックを受けるアイヴァン。もう今は既に大人になり、結婚して子供のいるアイヴァンは、ジャーナリストのジャニア(メラニー・ロラン)に取材を受けているが全く気が進まない。母親がヒーラーとなり、幼い自分を捨てて家を出ており、取材は母親のところに一緒に行くことだった。アイヴァンは幼い頃、母がヒーリングをしている間、弟と二人で車に残され待ちきれず車を勝手に運転して湖で弟を溺死させてしまう過去を持っていた。そして母がいるところへジャニアと向かい何十年ぶりに再会すると、実はジャニアも病気を抱え、ヒーラーであるナナに施術を望んでいたのだった。ジャニアは白い石を引くことができなかったが、ナナは息子のアイヴァンに白い石をこっそり渡し、アイヴァンはジャニアにその石を渡すのでした…。

寒々しい風景がたくさん出てきます。秋から冬に向かうカナダの大平原。氷で覆われた湖。行けども行けども白い氷の世界。凍った氷が薄くなっている個所のある湖。この映画は夏の暑い盛りに観たのですが、夏に冬の映画を観るのも乙なものでした。医学で治らなければ藁にでもすがりたいと思う気持ちはわかります。でも果たしてそれが本当にいいのか悪いのか。そして結果的に家族を崩壊させてしまってまでやることなのか、やはりとても疑問が残りました。人は諦めの気持ちも大切なのだと思いました。母も息子もとっても傷ついて生きてきて、年月が経ち再会することで少しはお互いを理解し会えたのかなと思います。naonaoお勧め度★★★★

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シェイプ・オブ・ウォーター [アメリカ映画 賞受賞]

アメリカ映画「シェイプ・オブ・ウォーター」(The Shape of Water)を観ました。

シェイプ・オブ・ウォーター オリジナル無修正版 [Blu-ray]

シェイプ・オブ・ウォーター オリジナル無修正版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: Blu-ray

2017年の作品。IMDb評価は7・3。ギレルモ・デル・トロ監督作品。ロマンス、ファンタジー。アカデミー賞4冠受賞(作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞)他にゴールデングローブ賞監督賞、作曲賞受賞、ベネチア国際映画賞金獅子賞受賞。半魚人と清掃員の女性の交流の物語。不思議な世界でおとぎ話のようでした。「パンズ・ラビリンス」に似た不思議な感じと怖さと美しさが漂い、ギレルモ・デル・トロ監督映画だとすぐにわかるくらい独特の世界でした。作曲賞をあちこちで獲っているだけあって、音楽が格別素敵でした。

時代は1960年代の冷戦時代。米ソで我先にと、南米で神と崇められている半魚人の生態を明かすのに躍起になっています。表向きはアメリカの研究者で実はソ連のスパイであるホフストテラー博士(マイケル・スタールバーグ)は、アメリカが先に解明する前に半魚人を殺すようソ連から指示を受けますが、彼はその指示に背き半魚人を生かしたいと考えます。耳は聞こえるが言葉を発することができずいつも手話を使っているイライザ(サリー・ホーキンス)はその半魚人の運び込まれた研究所の清掃員で、いつしか彼女は半魚人の彼に親しみを覚え、卵をあげ音楽をかけて曲に合わせて彼の前で踊ったりして、時を楽しむようになります。研究所の軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)が半魚人を痛めつけ彼が血を流して失神している様子を見て、イライザは彼を研究所から自分の部屋へ運び込むことを計画。一緒にいるジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)に協力を求め、ホフトステラー博士も加わり強行。しばらく彼を囲うことができましたが、いざ彼を川へ連れていくと追ってきたストリックランドが彼とイライザを銃で撃ちます。半魚人の彼の傷はすぐに治癒。川に飛び込み一緒に川に引きずられたイライザもまた傷が癒え、二人は川の中で抱き合ったままのエンディングでした。

主役のサリー・ホーキンスは「しあわせの絵具 愛を描く人 モードルイス」でお馴染みでした。観てる映画「パディントン」「ブルージャスミン」「ジェーン・エア」「私を離さないで」にも出てたようですがはっきりとは覚えていず。友人のゼルダ役にオクタヴィア・スペンサー。「ヘルプ~心がつなぐストーリー」以来。米ソの冷戦時代を描いているので、ソ連のスパイのホストステラー博士が任務を果たしていないと別のソ連のスパイに銃で撃たれ、そこへアメリカ軍人のストリックランドがやってきてソ連のスパイたちを銃殺したかと思いきや、ホストステラー博士をソ連のスパイなのかと詰問して最後には殺してしまうのが、とっても怖かったです。またイライザが住んでいたアパートが何ともお洒落だった。半魚人と二人で浴室を水でいっぱいにして楽しむ様子が楽しかった。テレビ番組も白黒で当時人気の色々が映りだされていたので、それを知ってる人はもっと楽しめる映画なのでは、と思いました。怖い部分を除いたら安心して観ていられるでしょうが、怖い感じはこの監督のお得意としてる部分なので除くことはできないかな。怖い+美しい+不思議な映画。naonaoお勧め度★★★★★


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余命10年 [日本映画 恋愛]

日本映画「余命10年」を観ました。

余命10年 [DVD]

余命10年 [DVD]

  • 出版社/メーカー: Warner Entertainment Japan Inc for JP-DVD
  • 発売日: 2022/07/22
  • メディア: DVD

2022年の作品。IMDb評価は6.9。小松菜奈ちゃんと坂口健太郎くん主演なので観ました。題名からして映画を観ずとも内容も分かりきっと泣くんだろうなと思いましたが、予想通りの内容で泣けました。小松菜奈ちゃんと坂口健太郎くんのケミも良く、二人とも演技力が高くていいなあと思いました。

茉莉(小松菜奈)は余命10年と言われる不治の病に罹っている。そのためあまり周りと関わらずに生きてきた。久々に地元に戻り同級会に出席して和人(坂口健太郎)に再会。その後東京に出てきている茉莉と和人は和人の自殺未遂をきっかけに距離を徐々に縮めていく…。

良くある内容の映画でした。好きな人ができ、楽しい思い出をたくさん作り、そして最後はもう会いたくないと宣言して、そして短い生涯を終えて亡くなっていく…。でも同じパターンだと思いながらも毎回忘れていることをしっかりと思い出させてくれます。生きたくても生きられない人たちがこうしているという事実を。だから生きられる人はちゃんと生きなければダメだと気づかせてくれます。自殺などはもっての外であることも。普段は忘れがちな大切なこと~生きてる間はしっかり生きろということを映画を観て再認識させられるようでした。またこの映画は楽しい場面をたくさん美しい映像に織り込んでいてとっても良かった。桜の場面も美しかった。他に黒木華、山田裕貴、奈緒、原日出子、リリー・フランキー、松重豊、田中哲司など顔馴染みの役者さんたちがたくさん出ていました。naonaoお勧め度★★★★

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ライフ・アクアティック [Wes Andersonウェス・アンダーソン]

アメリカ映画「ライフ・アクアティック」(The Life Aquatic)を観ました。

ライフ・アクアティック [DVD]

ライフ・アクアティック [DVD]

  • 出版社/メーカー: ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
  • 発売日: 2007/09/19
  • メディア: DVD

2004年の作品。IMDb評価は7.2。ウェス・アンダーソン監督作品。アドベンチャー、コメディ。ポップなタツノオトシゴやキャンディーガニ、グランド・ブタペストホテルの壁面と同じピンク色の魚の群れ…。絵本のような船内。そしてあれこれいい色使い。この監督ならではの世界がまたも広がっていました。

海洋探検家でドキュメンタリー映画を作っているスティーヴ(ビル・マーレイ)は、仲間たちを連れてまた船旅に出てフィルムを回しますが、そこに自分の息子だと名乗るネッド(オーウェン・ウィルソン)や、雑誌記者のジェーン(ケイト・ブランシェット)も現れます。資金繰りがうまくいかず、片腕の仲間も亡くし、映画もヒットしないスティーヴたち。一体どうなる?…

子供の大冒険みたいなことを大人がやっているような、ちょっと微笑ましい映画でした。海に潜ったり、バルーンに乗ったり、ヘリに乗ったり、潜水艦に乗ったり、大きな船内でゆっくり過ごしたりバタバタしたり…。その中でのいろんな人間模様も描かれ、特にクラウス役のウィルム・デフォーがいつもの強面役でなく、スティーヴの機嫌を伺っているような子分的存在だったのが、何だか可笑しかったです。ジェーンを好きなスティーヴはネッドに彼女に近づくなといい、それでもジェーンとネッドはお互いに恋愛を始めていて、それもあってスティーヴとネッドの関係も悪くなったり、それでもまた仲を取り戻すけれど、海賊に船が襲われて人がさらわれ助けに行く事件の後、ネッドが亡くなり…といろんなことが起き…。

絵本を読んでるような感覚はこの監督ならではのもの。おとぎ話のような印象が残ります。naonaoお勧め度★★★★


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