ヤマトナデシコ七変化 [日本ドラマ]
何か軽いラブコメはないかなあと思って観たのが、「ヤマトナデシコ七変化」。このドラマ結構前に観てレビューを書きましたが、アップする機会を逃しそのままにいました。つい最近、『バレエの王子様』との紹介で宮尾俊太郎さんがテレビのトークショーに出ていて、この人見たことある!!とよくよく考えたらこのドラマ「ヤマトナデシコ七変化」に出ていた人だったのです。それで、このレビューもこれを機にアップすることにしました。
「花より男子2」のスタッフである石井康晴、三城真一両プロデューサーのタッグで作られた作品というので期待してみました。また日刊スポーツドラマグランプリ作品賞受賞。日刊スポーツドラマ主演男優賞受賞(亀梨和也)。同年のドラマには「コードブルー 2nd season」「JIN 仁」「ブザー・ビート 崖っぷちのヒーロー」があり、この3作品もこの「ヤマトナデシコ七変化」と作品賞を争ったドラマだったとのこと。オンタイムで観たのは「JIN 仁」のみでしたが、山Pの作品を集中して観てた時もあり後者2作品も観ていますが、どれも好きなドラマでした。
原作は、はやかわともこ作の累計750万部の人気コミック漫画。イケメン過ぎることがコンプレックスの恭平(亀梨和也)は、下宿代をただにしてもらう代わりに、大家(高島礼子)のめいで引きこもりのホラーが大好きなスナコ(大政絢)をレディーに変える約束をします。下宿先にはほかに3人のもてもて美男子(手越祐也、内博貴、宮尾俊太郎)と、大家の子供(加藤清史郎)が住んでいます。ドタバタなホラーラブコメというちょっと異色なドラマです。
コンプレックスを抱え苦しみながらも、「君は君らしくあればいい」というメッセージを常にスナコに発信し続ける恭平のメッセージは、ホラーが何より好きで自分のことが嫌いなスナコを勇気づけ、観ている視聴者をも勇気づけます。ラブコメですが最後は結構ほろりとしました。
「花より男子」や「のだめカンタービレ」「乙男(オトメン)」「花ざかりの君たちへ」のような軽いタッチで、まさに原作がコミックなのでお気軽に観れて楽しかった。この手のタッチのドラマ、すごく好きです♪
テレビのバラエティ番組「世界の果てまでイッテQ」で、強気で、でも抜群の身体能力で何でも器用にこなしてしまう手越くんをいつも頼もしく観ているので、このドラマの可愛い王子様的キャラを演じてる手越くんは初めのうちはちょっと変な感じもしましたが、それはそれで見慣れてしまうと意外にはまり役だったかもしれません。
やっぱり軽いラブコメ好きです。
風のガーデン [日本ドラマ]
倉本聰脚本の富良野3部作、「北の国から」「優しい時間」に次ぐ最後の作品「風のガーデン」を観ました。
2008年のドラマです。
今も新富良野プリンスホテルにある「風のガーデン」と呼ばれるドラマで使われたロケ地。とっても素敵な場所なので、「優しい時間」で使われた「森の時間」のカフェ同様、行きたくなりました。
ドラマは富良野で訪問医をする父親(緒方拳)から勘当されて長く故郷に戻れないでいた息子(中井貴一)が、末期のすい臓がんにかかったことで、子供のルイ(黒木メイサ)と岳(神木降之介)に会うために都内での麻酔科医を辞め、こっそり富良野に戻り、そして父親とも和解し自分の生まれ育った家で最期を迎えるというドラマでした。
ドラマの後半、舞台を完璧に富良野に移したころから、涙なしには観れない作品になっていて泣けました。
特に、長男の岳くんという男の子が知的障害を患っているのですが、父親が死んだとされていたことからまた普段から大天使ガブリエルに会いたいと思っていたことから、父親が花の咲き乱れるガーデンに現れたとき「あなたは大天使ガブリエル様ですか?」と聞くのです。父親は「はい、そうです」と即答してしまいます。それからというもの父親をガブ様と呼び、嬉々とし、ガーデンの花の名前とおじいさんが作った普通なら可笑しくて吹き出しそうな花言葉を、父親とは知らず本当に天使だと思って一生懸命教えてあげます。
父親は昔から女性関係で問題を起こしており、不倫を知った彼の妻は自殺してしまいます。そのため勘当されているのですが、子供の岳くんは父が勘当されているとは知らず既に死んでいるとしか聞かされていません。また母親も実際に死んでいるため、ガブに聴くのです。「お母さんは今天国で何をしていますか?元気ですか?お父さんはどうしてますか?」と。父親であるガブは答えます。「お母さんは花の手入れをおばあちゃんと一緒にして元気にしています。お父さんは天国に行く手続きに時間がかかり、まだ天国に到着していないようです。でもそのうちに到着します・・・」すると岳くんは深々と頭を下げて「お父さんをよろしくお願いします」と言うのです。このシーンは心にグッと来て泣けます。
また勘当した息子が富良野に戻っていることを偶然知り、息子が寝起きする医療器具を積んだキャンピングカーに行ってみると、息子は点滴をしながら中で寝ており、ガンの薬やレントゲンなど車内に散らかっています。そして札幌の病院の封筒を見つけるとわざわざ父親は札幌に赴き、息子の病状を聞きに行きます。そこは息子の親友がやってる病院で、息子は周りの人には全く自分の病状を伝えてはいなかったのですが、その親友だけには洗いざらい話していたのでした。そのショックさと言ったら言葉にできないくらいショックだと思うのですが、胸が詰まりました。自分の子供が自分より先に逝ってしまうその寂しさ、悲しみといったらないと思います。
また父と息子は長年の断絶から顔を合わせ、話を静かに始めます。「君が今やりたいことは何かな?どんなことをしたいのかな?」そう聞かれた息子は、「娘ルイの花嫁姿をエスコートしてバージンロードを歩きたかった」と答えます。すると、それは家族を巻き込み、周りの親戚や友人たちを巻き込み、嘘の結婚式をでっち上げ結婚式を本当にしてしまいます。実はそれが優しさから来ていた嘘だと嘘を知っていながら、その嘘に気づいていないふりをして精一杯して参加し続け、でもそれは最後には本当に感動的で涙が溢れたということを、つい最近まで不倫をしていた東京の病院の看護師長に手紙で告白しています。
また若い歌手志望の女性(平原綾香)と付き合ってもいたのですが、「「カンパネーラの恋」という曲がヒットしいつかどこかの町でふと耳にしてくれたら嬉しい」と言っていたのですが、実際に彼女の言葉通りに彼女の曲はヒットし彼はラジオからも町の大きなテレビ画面からもこの曲を見聞きます。そして自分の母親が作って家に残してあった「カンパネーラの押し花」をその歌手に自分が亡くなった後渡してほしいと娘ルイに託し、実際ルイはその歌手に会い、形見分けとして押し花を渡すのです。その日のステージは「大切な人が亡くなったため、一曲だけにさせてもらいます」と言ってこの「カンパネーラの恋」を歌うのです。
緒方拳や中井貴一がうまかったのはもちろんですが、学生の頃の恋人役の石田えりや岳くん役の神木隆之介くんがとっても良かった。神木隆之介くんの演技ももっと観てみたいなあと思いました。
「優しい時間」ほど音楽とドラマがマッチした感じがなかったのがちょっと残念な点で、この「風のガーデン」の主題歌の「ノクターン」という曲と「カンパネーラの恋」という曲が今一つ、好きになれなかったかなあと思いました。でもこのドラマのエピソードの一つ一つがとっても素敵で、いいドラマを観れたなと思いました。お勧めです。
リッチマン プアウーマン リッチマン プアウーマンin ニューヨーク [日本ドラマ]
松潤主演のドラマ鑑賞はしばらくお休み。
今回は松潤のドラマで松潤と共演して気になっていた小栗旬さん(「花より男子」で花沢類役を演じ、とっても素敵だった!)と、石原さとみさん(「失恋ショコラティエ」で松潤の相手役の紗絵子さん役や「きみはペット」「ラッキーセブン」にも出てた)の二人が出演の「リッチマン プアウーマン」「リッチマン プアウーマンinニューヨーク」を観ました。
このドラマは日刊スポーツ2012年夏ドラマ選考で、小栗旬が主演男優賞、石原さとみが助演女優賞を受賞。2012年11月発表のザテレビジョンアカデミー賞でもやはり小栗旬が主演男優賞、石原さとみが助演女優賞に選ばれ、二人の演技力が高く評価されています。だからとっても気になっているドラマでした。
カラマーゾフの兄弟 [日本ドラマ]
「泣くな、はらちゃん」と同時期に観ていたのが「カラマーゾフの兄弟」でした。ロシア文学は全くと言っていいほど手を付けたことがなく、ストーリーも何も全く知らないので、新聞のコメントに「カラマーゾフの兄弟を知らない人はドラマでどんな話かを知ってても毒にならないでしょう・・・」みたいなことを見つけて、確かにな、と思い観始めたドラマでした。
ドラマ公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/brothers_karamazov/index.html
家庭がめちゃくちゃな家に生まれた3兄弟。そのメチャクチャにしてる元というのがその家の父親で、大変な財産家であるものの、女性関係が酷いのです。夜な夜な女性を侍らせどんちゃん騒ぎするような父親。長男と二男、三男は一番上の子供のみ先妻の子、あとの二人は後妻の子で、小さなときにとてもかわいがってくれた今は亡き母親(後妻)を良く思い出してます。それぞれに確執もあるようですが、父親に育児放棄された三人の子供たちは結束も強く仲も良い。今は一人の女性を巡って長男と父親が争い、また次男が好きな女性は長男が好きという三角関係です。そんな中、父親が誰かに殺されるのです。父親を殺したのは誰なのか。長男か、次男か、三男か。あるいは使用人か。毎回回を追うごとにそれぞれの人間にスポットをあて、その人物がどんな人物なのか明らかにされていきます。長男役の斉藤工、次男役の市原隼人、三男役の林遣都、父親役の吉田鋼太郎、刑事役の滝藤賢一がそれぞれに素晴らしい演技を見せてました。ドラマの途中に放送されてたバカリズムのCMも面白く、刑事役の滝藤氏が車に乗り込んでドラマの延長で演技し、音楽もドラマの音楽を使っていてなかなか良かったです。気が利いてました。
テーマが父親殺しを探すというものなので、「泣くな、はらちゃん」のようなほんわり気分は味わってはいられません。でも観始めると誰が犯人なのかも知らなかったので、結構面白く観ることができました。役者さんたちの演技が冴え、良かった!!
またこのドラマを観終わってから原作を読みました。
カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)
- 作者: ドストエフスキー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/07/12
- メディア: 文庫
新訳『カラマーゾフの兄弟』を読む―「父殺し」の深層 (NHKシリーズ NHKカルチャーアワー・文学の世界)
- 作者: 亀山 郁夫
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2008/09
- メディア: ムック
泣くな、はらちゃん [日本ドラマ]
日本テレビでの「泣くな、はらちゃん」が終わってしまいました。
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/harachan/
このドラマ、本当に素晴らしかったです。特にはらちゃん(長瀬智也)のピュアな言動に時に笑い、涙しました。越前さん(麻生久美子)が描いた漫画の世界から突然飛び出したはらちゃんと、ちょっとネガティブな、はらちゃんから神様と慕われる越前さんの恋物語という突拍子もない設定ですが、毎回毎回心を打ち、琴線に響いた秀逸なドラマでした。テーマも恋愛に限らず、この人生のそしてこの世の様々なものを孕み、いろいろ考えさせられ気づかされたドラマでした。はらちゃんの役には彼しかいないだろうというくらい長瀬智也がはまり役で、このドラマの続編を強く期待してしまいます。
「神様、お願いします。あなたが幸せでないと、我々の世界は曇ったままなんです。・・・・ あなたが笑えば、世界が輝くんです」
「違う世界を知ることはさ、ステキなことだけど、つらいことなんだよ」
「楽しいことってのはさ、その分、切ないんだよね」
「映画やアニメだったら、幸せに暮らしました、はい、ハッピーエンドって終われるけど。人はハッピーエンドのあとも、生き続けていかなきゃならないから。大変なのは、ハッピーエンドのあとなのにね」
「しっかりしてください、あなたは神様なんですよ」
「私は幸せです。神様と両想いなんですから。こんな幸せな人はどんな世界にもいないと思います」
「片思いもつらいですけど、一番つらいのは両想いの人が離れなきゃならないってことじゃないですか。そんな二人の姿を見てるのは僕だってつらいです」
・・・・・・・
たくさんの名言もありましたが、一番泣けたのは百合子とはらちゃんのやりとりでした。
「今は両思いかもしれない、でも越前さんが誰かほかの人を好きになってしまったら?はらちゃんよりももっと」「そんなことあるんでしょうか?」「あるとしたら?」「それで越前さんが幸せでしたら、私も幸せです。はい」
普段何気なくいただくひとつひとつの食べ物に対しても、大げさなくらいに感激するはらちゃん。見るもの聞くものすべてが新鮮で、矢継ぎ早に質問するはらちゃん。胸がちくちくするんです、これって何?、死ぬってどういうこと?けんかばかりしていても家族なの?時にはこの世の矛盾を突き、はっとさせられます。皆で歌って、サッカーして夕日を見て、おいしいもの食べて、この世は「素晴らしいです」と言いきる漫画世界から来たはらちゃん。
私たちはこんなにも素晴らしい世界に住んでいるのに・・・・それもにもっともっと感謝しないといけないと思うのでした。
ドラマの中で設定されていた漫画の世界とこの世の世界。程度の差はあれ、私は外国旅行を通じて日本の良さも悪さもありがたみも再認識し帰国したように思います。外国旅行でなくても、大病を患い死の淵をさまよい生還した人や、宇宙旅行をした人、大変な困難を乗り越えてきた人・・・・、人はそれぞれ様々な経験を得て、この世界にある喜びをより強く感じることができるのかもしれません。でも本当は何も経験せずとも、はらちゃんのように初めから素直に喜び幸せだと感じる心を強く持ち続けたい。きっと子供のときはそうであったように。時々忘れてしまうので、今この時期にまたこのドラマに出会えたことが嬉しいです。
はらちゃんのTwitterやFacebookまであり、見た人たちの多くがはらちゃんのファンになっていることが伺えます。見逃してる方は是非観ることをお勧めです。きっとはらちゃんのファンになります!