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マガディーラ 勇者転生 [インド映画]

インド映画「マガディーラ 勇者転生」(Magadheera)を観ました。

マガディーラ 勇者転生 [Blu-ray]

マガディーラ 勇者転生 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 株式会社ツイン
  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: Blu-ray

2009年の作品(日本公開は2018年)IMDb評価は7.7。ラブロマンスファンタジーアクション映画。インド国内でたくさんの賞を総なめにした映画。人気あるインド映画「バーフバリ」の原点の映画と言われている。インド映画お得意の輪廻転生を描く。踊って歌ってのインド映画も健在で、現代と1600年代の二つの世界を描く。特に1600年代の王国の伝説の戦士と王国の姫のいる時代の映像が素晴らしかった。久々のインド映画に心浮き立ちました。

ハルシャ(ラーム・チャラン)はある日偶然女性と手が触れ、電気が走り前世の記憶が蘇る。その女性を捜し彼女がインドゥ(カージャル・アグルワール)という名であると知るが、インドゥ本人がインドゥだと名乗らず別の女性がインドゥだとハルシャに思い込ませていたが、再度彼女と手が触れると彼女がその人だとハルシャは知る。手が触れる度にハルシャは前世の記憶を蘇らせる。

1600年代にハルシャは王国の伝説の戦士バイラヴァでありインドゥはその王国の姫ミトラでお互いに愛し合っていた。戦士バイラヴァは将軍ラナデーヴ(現代ではラグヴィール)とミトラ姫との結婚を巡り彼女のスカーフを最初に探して持ち帰る競争でバイラヴァがラナデーヴに勝利したものの、ミトラ姫の父であり国王がバイラヴァと娘が結婚すればバイラヴァの家系が戦士で30歳までに皆亡くなるため娘が寡婦となることを心配していた。それをバイラヴァが耳に入れて結婚を辞退したのでした。しかしバイラヴァが国に降りかかる厄落としのためにシバ神とリンガに祈祷に行っている間、ラナデーヴが国王を殺害。他国の王シェール・カーン(現代ではソロモン)と手を組んでバイラヴァを殺すため彼のいる祈祷場まで追ってきた。バイラヴァは100人以上の敵を1人で相手にし戦い、最後はシェール・カーンにその雄姿に敬意を払われるものの、ラナデーヴが先に姫と王国を引き渡す約束をシェール・カーンとしていたため、シェール・カーンは何も言えなくなってしまう。ミトラ姫はラナデーヴの妻になることを拒否するとラナデーヴが彼女を刺し、バイラヴァがラナデーヴの首を落とす。ラナデーヴが崖から落ちてしまうとそれを追ってバイラヴァもまた崖の下へと飛び込む最後だった…。

現代の部分より1600年代の部分がより素晴らしい映像でした。インドらしいカラフルな服装の人々が宮殿前の大広場、まるでローマのコロッセオみたいな観客席に収まってるシーンが印象的でした。「君のために生まれてきた 君なくしては転生の意味がなくなる」という歌がこの映画のテーマ。何曲かある歌や踊りがインド映画らしく、久々に観てやっぱりインド映画好きだよ、と思いました。最後は悪者成敗して終わり。これもインド映画らしい。スタッフ全員で踊ってるエンドロールも楽しそうでした。ロケ地はハイダラバードのゴールコンダ城。ハイダラバードには行ったけど、こんなお城があったなんて知らなかった。観るものたくさんあって網羅できてないなと思いました。naonaoお勧め度★★★★★

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マッスル 踊る稲妻 [インド映画]

インド映画「マッスル 踊る稲妻」(I)を観ました。

マッスル 踊る稲妻 [DVD]

マッスル 踊る稲妻 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アメイジングD.C.
  • 発売日: 2019/02/02
  • メディア: DVD

2015年の作品。IMDb評価は7.4。アクションロマンス。「ロボット」「ボス、その男シヴァージ」のシャンカール監督作品。歌と踊りがしっかり入って3時間越えのインド映画で、インドで普通の映画である点が良かった。最近では歌と踊りが入らないマサラムービーが多いので、歌と踊りがたんまり入っているのは楽しい。主役男性がそんなに格好いいとは思えなくて、もっとハンサムな役者を出して~と思いながら観てましたが、途中から素敵に見えてくるから不思議。中国ロケもあり、素敵な色彩、ストーリー展開も初めは意味不明だったけど途中から明らかになってインドらしく最後に悪を成敗するものでした。

チェンナイに住むボディービルダーのリンゲーサン(ヴィクラム)。CMに大活躍のトップモデルのディヤー(エイミー・ジャクソン)に憧れている。そんな時、リンゲーサンはボディービルの大会で1位となり、CMの話が舞い込みそのCMを観たディヤーはセクハラをされている男性のモデル、ジョンと組みたくないために、リンゲーサンと一緒にCMを撮ることを希望。二人は中国ロケへと向かうのでした。大成功を収めた二人。結婚を発表するリンゲーサンとディヤーの二人に、何人かの人から妬みを買うことになり、リンゲーサンはウィルスを注射され醜いせむし男のような変貌になり、その復讐のために戦う。そして最後はリンゲーサンの病気を徐々に治し、傍らには愛するディヤーが一緒にいるというハッピーエンドでした。

色使いがとても美しいシーンがいくつかあり、素敵でした。青と黄色、緑色と黄色、緑色一色、赤一色、ポップでカラフルでパステルカラーを用いた色使い…。インドのブルーシティ(ジョードプル)、中国の桂林、雲南省のお花畑、たぶん九寨溝と思われる池など。中国では中国お得意のワイヤーシーンも取り入れてたし、歌と踊り部分がいろんなヴァージョンで楽しめました。西洋風もあればもちろんインド風も、テクノポップみたいなもの、おとぎ話風のもの。それこそこの映画が「美女と野獣」を思い出させてたので、そのヴァージョンもあり楽しかった。西洋風の装いやセットではインド人ってやはりアーリア系だから西洋人とほとんど変わらない。よく「インド人を白くしたら西洋人」と他の旅人が言ってたけど、本当にそうだなあとこれを観て改めて思いました。

この映画のタイトルIは二人がCMで成功する香水の名前から取っているのに、邦題では全く関係のないタイトルで、映画の内容とは結構乖離してるのが残念。たしかにボディービルの肉体でムキムキの主人公で彼らが踊るシーンもあるけれど、このタイトル頂けないなあと思いながら観ました。久々のインド映画はやはり楽しかった。naonaoお勧め度★★★★

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PKピーケイ [インド映画]

インド映画「PKピーケイ」を観ました。


PK ピーケイ [Blu-ray]

PK ピーケイ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2017/04/28
  • メディア: Blu-ray

2014年の作品。IMDb評価は8・2。アーミル・カーン主演。「きっと、うまくいく」を超えるインド歴代興行収入No.1の作品。SFコメディ。個人的には「きっと、うまくいく」のほうがずっと良かったのですが、この映画もなかなか良かったです。

宇宙からやってきたPK(アーミル・カーン)が自分の星に戻る時に使う緑色のペンダント型のリモコンを盗まれてしまい、探しまわります。すると「神様のお恵みあれ」「神のみぞ知る」と人々が口にすることから、「神様が行方不明」のポスターを作り神様を探しまわるのです。神様が見つかりさえすればリモコンが見つかり星に戻れると信じて。それを見たテレビ局の記者であるジャグー(アヌシュカ・シャルマ)は特ダネになると考え彼に近づき取材し始めます…。

歌あり踊りありは健在でしたが、少なくて残念でした。もっと歌と踊りがあっても良かった。ラジャスタンの民族衣装のカラフルさにワクワクしました。ロケ地をベルギーのブルージュ、砂漠のラジャスタン地方、デリーと移し、街並みを見るのも楽しくてブルージュが可愛い街並みなので行きたくなり、またインドの街の様子は懐かしく見ているだけでウキウキしました。

宗教に関する素朴な疑問を次々と投げかけていく宇宙人のPK。神様はやはり一人一人が心に持って信仰するだけにして、集団に入らないのが一番いいなあと思いました。「電話のかけ間違い」と映画の中では表現していましたが、神様の声を取次ぐ仲介人がいるとどうしても変な方向へと行ってしまいます。「具合の悪い妻がいるのにどうしてわざわざ遠い聖地にまで足を延ばしてお祈りしないといけないのだろう。妻のそばにいて世話するのが普通なのではないだろうか?」「世界には今にも死にそうな人たちがいるのにどうして神様はすぐに救ってくれないんだろう?」「(神様のグッズ売りの屋台で)神様の大きさによって何が違うの?」…。キリスト教、ジャイナ教、シーク教、仏教、ヒンドゥー教、イスラム教…となぜこんなにも違うのか、こちらの宗教でいいことはあちらの宗教ではダメとされるなんて、とPKが投げかけます。

インドとパキスタンの国同士が仲が悪いことから、インド人のジャグーがブルージュで知り合ったパキスタン人の男性と恋に落ちても悲恋に終わるだろうと思っていて、ヒンドゥー教の教祖から「彼は裏切るだろう」との預言をもらい二人は結ばれないことを決定づけたと最初に思いました。しかし宇宙人のPKのお陰で真実がわかり、ちょっとした間違いから二人がすれ違っていたことが最後にわかります。インド人とパキスタン人の仲が映画の中だけでも保たれていて良かったです。

PKとのお別れ。PKのジャグーに対する淡い恋心もわかり涙するジャグー。PKが巻き起こす騒動、宗教に関して投げかける問い。純粋無垢なPKのキャラクターがとっても光る映画でした。PKのように6時間人の手をとりその人の言葉を短期に習得できる能力があったなら、どんなに素敵だろうかと思いました。

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ピザ! [インド映画]

インド映画「ピザ!」を観ました。


ピザ! PIZZA! [DVD]

ピザ! PIZZA! [DVD]

  • 出版社/メーカー: カルチュア・パブリッシャーズ
  • メディア: DVD

2017年の作品。IMDb評価は8・4。スラム街に住む兄弟が近くにできたピザ屋のピザが食べたくて繰り広げる顛末。子供たちが生き生きとしていてその元気をもらえる映画でした。


父親が刑務所にいて暮らしがかなり苦しいスラム街に住む兄弟。近くにできたピザ屋が話題となり300ルピー近くもするピザが食べてみたくて仕方がない兄弟。二人は石炭拾いで300ルピーを稼ぎ店に赴くも、身なりでスラム街の子供と判断され門前払いされてしまう。今度は洋服を新調すればいいのだと思い、さらに石炭拾いやら水汲み、子犬売り、チラシ配りなどして小遣い稼ぎをし、洋服も新調したが店の前で殴られる。それを動画で撮っていた大人がテレビ局に持ち込みマスコミが大騒ぎをしたため、兄弟はピザ屋の招待を受けてピザを口にできたが、「ピザよりドーサのほうがおいしい」という感想を洩らすのでした…。


久々のインド映画。インド映画を観ているとインド旅行を思い出し、ちょっと旅行した気分になれるのでやはりお手軽に映画を観るのはいいなあと思いました。この映画は子供が主役。ちゃんと稼いで自分の夢を素直に実現させようとするところが大人顔負けでした。子供たちの気持ちがまっすぐで観ていて清々しかった。

インドも私が旅した90年代からしたら相当経済発展しているだろうけれど、もうインドに気軽にはなかなか行けないかもなあと思いました。若い時は汚いところも平気で旅行していたけれど、今は年を取り免疫も落ちてすぐに病気になってしまいそうだと映画を観ていて思いました。南インドが舞台なのでデリーではないのですが、ピザ屋がデリーのコンノートプレイスにあった当時ピカピカに見えたレストランと同じ印象を受け、ほとんど街中の普通の食堂で食べてたけど、一度大枚払って(当時の東京で食べるのと変わらないくらいの値段で)旅行者同士でコンノートで食事したことを思い出しました。


私もピザでなく、マサラドーサが食べたくなりました。

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盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲 [インド映画]

インド大使館で「盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲」を観てきました。


ポスター画像 


公式映画サイト:http://m-melody.jp/



盲目のピアニスト。実は盲目を装っているだけで本当は目が見える。夜にはバーでピアノを弾き、恋人らしき人もできる。そんなとき、盲目を装う彼が、大スターに演奏依頼を受け、豪邸に出向くがそこでは大スターの妻と浮気相手の警察署長が大スターを殺していた。本当のことをいいたい彼。でも盲目でないことがバレてしまうのでそうそう言えず。正直に言おうと警察に出向いてもやはり言えず。そのうち大スターの妻が本当に盲目なのかを疑い彼の家までやってきて、お菓子を差し出す。その毒入りスイーツを口にしたピアニストは苦しみ、意識を失っている間に本当に目が見えなくなってしまい、大慌て。その後さらに警察署長からも命を狙われるも、運よく病院に運ばれる。しかしそこで待っていたのは臓器移植で金儲けをする怪しい医者と仲間たち。視力を失ったのに、更に臓器を知らないうちに取られてしまいそうになるピアニスト。しかし何とかそれを免れ、怪しい医師と仲間たちと手を組んで大スターの妻を誘拐して警察署長宅にスキャンダルをばらさないことを条件に大金を要求する。一体誰が味方で敵か?混乱に次ぐ混乱…。


ストーリー展開が良かったし、見ごたえある映画でした。うまくできていて申し分ない映画。ただ、コメディなのでクスクス笑えますが、途中ピアニストが目が見えないのをいいことに悪徳医師が肝臓2つを知らない間に手術して取ってしまおうとしてる場面が全然笑えなくて、とっても恐ろしく感じました。手術は中止になって話の流れが変な方向にいかなかったのが救いでしたが、その衝撃が大きすぎて、その後あんまり私自身は笑えなくなってしまいました。


タッチは軽めで音楽も心地よく、最後にはニヤリとさせる場面もあり、ロッテントマトの満足度が100パーセントという驚異的数字を叩き出しているのです。今まで他の映画でロッテントマトの満足度100パーセントの映画ってあるのだろうか!?と思います。2018年のインド映画界でたくさんの賞をさらって、「インドのコーエン兄弟だ」「毎秒ごとに予想を裏切られる」という声が上がっているとのこと。

コーエン兄弟の映画って一体どんな映画なのか!?私は観たことがあるのか!?と調べたら、「ディーボース・ショウ」「ブリッジ・オヴ・スパイ」「モネ・ゲーム」を観たことがありました。でもドタバタのコメディでありながらスリリングで不気味。犯罪、誘拐など扱っている映画が多いとのことで「ノーカントリー」や「ファーゴ」などの本家本元のコーエン兄弟の代表作も観てみたいと思いました。


インド映画とはいってもインド映画にあまり思えないインド映画でした。最近のインド映画同様、踊りは全くなくて(音楽はふんだんに入ってます)、インド映画はこれからも音楽はあっても踊りはないのかなあとちょっと寂しい感じもしますが、ハリウッド映画と遜色なく、それくらいすごく良い出来で素晴らしかったです。


今年はお蔭さまでたくさんのインド映画を観ることができ、とっても嬉しいです。またこんなにたくさんのインド映画が日本に入ってくるというのも本当にいい時代になったなあと思いました(以前にも書いたけれど…)インド映画、今後も観ていきたいです。

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